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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第11話
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〜IBC・最上階・総裁室〜



「え………」

「ベル………!」

女性の登場にロイドは呆けている中エリィは驚きの表情で女性に近づいた。

「おお、帰ってきたか。」

「お父様、ただいま戻りました。ふふっ………エリィ、久しぶりですわね!」

ディーター総裁の言葉に頷いた女性は微笑んだ後、嬉しそうな表情でエリィに抱き付いた。

「ちょ、ちょっと………」

一方女性に抱き付かれたエリィは戸惑った。



「ん〜、2ヵ月ぶりですわね。でも貴女………少し痩せたんじゃなくて?手とか足とかちょっと固くなってよ?」

「ふふ、鍛えているから少し筋肉が付いただけよ。むしろ体重は少し増えたんじゃないかしら。」

「なるほど……言われてみれば筋肉のしなやかさを感じますわね。ふふ、これはこれでなかなかの感触ですわ〜。」

「も、もう………」

女性の言葉を聞いたエリィは恥ずかしそうな表情で溜息を吐いた。

(な、なんか凄い人だな………)

(しかし美人同士が絡むとそれだけで絵になるっつーか。)

(というか、ただの友達同士にはちょっと見えないんですが………)

(クスクス、少なくてもあのお姉さんの方は”ただの友達”の関係で満足していないでしょうね。)

「やれやれ、スキンシップはそのくらいにしたらどうかね?他の客人が呆れてるぞ。」

ロイド達がそれぞれ見守っている中、ディーター総裁は苦笑しながら女性に注意した。



「あ………」

「……あら………」

ディーター総裁に注意された女性はようやくエリィから離れた。

「しょ、紹介するわね。彼女はマリアベル………総裁の娘さんで、私の友人よ。ベル、彼らは私の同僚で、ロイドとランディとティオちゃん、レンちゃんって――――」

「紹介は結構ですわ。自分で検分しますから。」

「え。」

「ふむ………なるほど……」

ロイド達を紹介しようとしたエリィに女性―――マリアベルは制止した後、ロイド達を一人一人見て周った。



「な、なにか……?」

「レン達に何かついているのかしら?」

マリアベルの行動にロイドが苦笑したその時、マリアベルはティオとレンをじっと見つめ

「え……」

「あら……」

「貴女達は合格。ふふ、可愛らしいですわね。」

呆けているティオと目を丸くしているレンに微笑み

「で、貴方達は不合格ですわ。」

そしてロイドとランディを見回して厳しい表情で答えた。

「へ……!?」

「な、何だそりゃ……!?」

マリアベルの口から出た予想外の答えを聞いたロイドとランディはそれぞれ驚いて声をあげた。



「フン、こんなムサ苦しい男どもが
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