第22話「りょこう」
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を、胡桃たちには何かないか色んな所を見てもらった。
そして、三階に着く。
「...!ここか....。」
窓の部分には大量に板が打ちつけられている教室。
おそらく、そこが籠城している場所だろう。
....だが....。
「...静か...だな。」
「...静かすぎるよ...。」
明らかに物音を立てていた。だけど、この中からは物音一つしなかった。
「とりあえず、中を見てみようぜ。」
「ああ。...っと、机のバリケードか。」
扉を開けると、机によって奴らは通れないようになっていた。
辛うじて人間は潜れるので、潜ってみたが...。
「....どうだった?」
「....もぬけの殻だ。人っ子一人いない。」
「そんな...!?」
中の様子を伝えると、悠里が今にも崩れ落ちそうな程ショックを受けた。
「...まだ、死んだと決まった訳じゃない。ここを脱出して、どこか違う場所に隠れているだけかもしれない。」
「.....で、でも....。」
俺がそう言っても、悠里は下唇を噛み締め、認めたくないような表情をしていた。
...悠里がだいぶやばいな...。
「だ、大丈夫だよ悠里ちゃん!ほら、まだ教室はあるし!」
蘭が誤魔化すように隣の部屋の扉を開ける。
..って、そんな不用意に開けたら...!
「っ、うっ....!?」
「見るな由紀!」
「蘭!」
「分かってる!ごめん!」
...中には、多数の死体が折り重なっていた。
血みどろで、子供が多数を占めていた。あまりにも見たくない部屋だった。
...共通していたのは、全員が頭を潰されていた所だ。
おそらく、誰かが倒したのをそこに仕舞ったのだろう。
...どの道、由紀はあまりのグロさに気分が悪くなってしまった。
悠里も、危険な精神状態に変わりない。
「(一瞬だったが、かなりの手際だ。倒したのは相当な実力者...おそらく母さんだな。)」
あれほどの事ができる者で、ここに潜んでいたとなると母さん以外思いつかない。
「....戻るぞ。...ここには、もう誰もいない...。」
「..あ、ああ...。」
誰もいなさそうなので、俺達はここを後にする。
...悠里の精神状態がやばいから長居したくないのもあったが。
「....っ、せめて....。」
「由紀?」
気分を悪そうにしていた由紀が、いきなりぬいぐるみを死体だらけの部屋の前に置き、祈るように手を合わせる。
「....行くぞ?」
「...うん。」
誰も生存者はいなかった。それは悲しい事だが、い
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ