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ぶそうぐらし!
第22話「りょこう」
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を、胡桃たちには何かないか色んな所を見てもらった。
  そして、三階に着く。

「...!ここか....。」

  窓の部分には大量に板が打ちつけられている教室。
  おそらく、そこが籠城している場所だろう。
  ....だが....。

「...静か...だな。」

「...静かすぎるよ...。」

  明らかに物音を立てていた。だけど、この中からは物音一つしなかった。

「とりあえず、中を見てみようぜ。」

「ああ。...っと、机のバリケードか。」

  扉を開けると、机によって奴らは通れないようになっていた。
  辛うじて人間は潜れるので、潜ってみたが...。

「....どうだった?」

「....もぬけの殻だ。人っ子一人いない。」

「そんな...!?」

  中の様子を伝えると、悠里が今にも崩れ落ちそうな程ショックを受けた。

「...まだ、死んだと決まった訳じゃない。ここを脱出して、どこか違う場所に隠れているだけかもしれない。」

「.....で、でも....。」

  俺がそう言っても、悠里は下唇を噛み締め、認めたくないような表情をしていた。
  ...悠里がだいぶやばいな...。

「だ、大丈夫だよ悠里ちゃん!ほら、まだ教室はあるし!」

  蘭が誤魔化すように隣の部屋の扉を開ける。
  ..って、そんな不用意に開けたら...!

「っ、うっ....!?」

「見るな由紀!」

「蘭!」

「分かってる!ごめん!」

  ...中には、多数の死体が折り重なっていた。
  血みどろで、子供が多数を占めていた。あまりにも見たくない部屋だった。
  ...共通していたのは、全員が頭を潰されていた所だ。
  おそらく、誰かが倒したのをそこに仕舞ったのだろう。

  ...どの道、由紀はあまりのグロさに気分が悪くなってしまった。
  悠里も、危険な精神状態に変わりない。

「(一瞬だったが、かなりの手際だ。倒したのは相当な実力者...おそらく母さんだな。)」

  あれほどの事ができる者で、ここに潜んでいたとなると母さん以外思いつかない。

「....戻るぞ。...ここには、もう誰もいない...。」

「..あ、ああ...。」

  誰もいなさそうなので、俺達はここを後にする。
  ...悠里の精神状態がやばいから長居したくないのもあったが。

「....っ、せめて....。」

「由紀?」

  気分を悪そうにしていた由紀が、いきなりぬいぐるみを死体だらけの部屋の前に置き、祈るように手を合わせる。

「....行くぞ?」

「...うん。」

  誰も生存者はいなかった。それは悲しい事だが、い
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