第22話「りょこう」
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の学校を失ったのだ。
パンデミックが起きて、今まで精神に負担が掛からなかった事はない。
表面上は大丈夫に見えても、内面は一体どうなっているのか...。
「(...その妹が、生きていればいいんだが...。)」
俺は運転しながらも、そう思わずにはいられなかった。
「....ここか...。」
「まだ夕方辺りだぞ?助かるけど、数が少ないな...。」
鞣河小学校に着き、俺達は車を降りる。
...確かに、胡桃の言うとおり奴らの数が少ないな...。
「ねぇ、今日って何曜日だったっけ?」
「なんでこのタイミングで曜日を...って、そうか!」
由紀の言葉に俺は気づく。
「今日は一応日曜日。学校は休みだから、習慣に沿った動きをしている奴らはいないんだ。」
「なるほど。確かに、日曜に小学校に来るのなんて教員ぐらいだよな。」
危ない危ない...。一日遅かったら、大量の子供ゾンビを薙ぎ倒す羽目になってたのか。
「....さて、行くぞ。美紀と圭、先生はここを見張っていてくれ。」
「分かったわ。気を付けてね。」
太郎丸と命も当然置いて行き、俺達は小学校の中に入ろうとする。
「.......っ。」
「...悠里。」
「っ、え、ええ。今行くわ...。」
...やはり、危ういな...。だけど、だからってどうしようも...。
「....ところで由紀。そのぬいぐるみはなんだ?」
校舎に入り、少し進んだ所で由紀に聞く。
...腕の中には、クマのぬいぐるみがあった。
「ふふーん。これはね、ぬいぐるみのグーマちゃん!子供はぬいぐるみが大好きだからね!この子でモテモテになるのだ!」
「あのな...。」
「...なんて言うのは建前で、これで少しは安心させられたらなって...。」
“そんなしょうもない理由で”と言おうとして、由紀が改めてそう言う。
「...そうか。...その時は、任せたぞ。」
「任されたよ!」
...こういうのは、由紀の方が得意だろう。
.....別に、精神年齢が近く思えるからじゃないぞ?
「...二階もなにもなし...か。」
二階も探索したが、数体の奴ら(子供もいた)がいただけだった。
「...だが、確実に誰かがいる。」
「足跡があったもんね...。」
二階に上がる時、何度も行き来した足跡があった。
よく見れば、それは大人と子供のもので、もしかしたら生きているかもしれない。
「...三階だ。おそらく、そこにいるはず...。」
蘭に後ろの警戒を任せ、俺は前
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