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ぶそうぐらし!
第22話「りょこう」
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...。」

  早速洗い始めながら、美紀とそんな会話をする。

「山のけもの道を走って登るとかはザラだったな。」

「は、走ってですか...。」

「最初の頃は足を挫くはそこらじゅう傷だらけになったな。」

  服の染みをこすって落としながらそう言う。
  ...木の枝とかにめちゃくちゃ引っかかるんだよな。けもの道だし。

「...ところで蘭先輩は?あの人も遼先輩と同じように色々叩き込まれたんじゃぁ...。」

「あー、あいつが叩き込まれたのは専ら戦闘関連だ。護身も兼ねてな。...だから、所謂“女子力”ってのは俺よりも劣るって蘭本人が言ってた。」

  ちなみに当の本人は車の傍で見張りをしている。

「....で、だ。そろそろお前らも手伝えよー!!」

「えー!もうちょっと遊びたいよー!」

「そうだそうだー!」

  いや、元々洗濯のために来たんだろうが...。
  俺は思わず由紀と胡桃にそう突っ込まざるを得なかった...。







「....それじゃあ、出発するぞー。忘れ物はないな?」

「オッケーだよ!」

  洗濯の次の日。しっかりと休養も取った俺達は大学に向けて再出発した。
  ちなみに車に乗る面子は前と一緒だ。



「...あ、ここって...。」

「ん?...あー、なんか見覚えがあると思ったら...。」

  しばらく走り、ちょっと休憩がてら外に出て、改めて景色を見て俺達はそう言った。

「ん?りーさん、遼、知ってるのか?」

「え、ええ...ちょっとね...。」

「俺はあまり来た事はないけどな...。母さんの勤め先の近くだ。」

  そう、そこは母さんと悠里の妹が行っている鞣河小学校近くの街並みだった。
  ...まぁ、もう見る影もないけどな...。

「...行くか?」

「行くって....まさか...。」

  胡桃が俺の言おうとしている事に察する。
  悠里も、それが分かっているのか、少し考えてから...。

「....ええ。行くわ。」

  そう、決断した。

「...なら、善は急げだ!皆、車に乗ってくれ!行き先は鞣河小学校!もしかしたら生存者がいる可能性がある!急げ!」

  皆に聞こえる程度の声量でそう言う。
  休憩をすぐ切り上げる事になったけど、元々大した休憩のつもりはなかったしな。

「....悠里、案内を頼む。」

「分かったわ。」

  悠里はいつもより真剣だった。
  当然だ。妹の事が心配なのだから、真剣にならない方がおかしい。

「(...だが....。)」

  しかし、それ以上に、悠里の精神状況が不安だった。

  ただでさえ、拠り所
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