第四章
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緑の紫の小さなそして青緑の葉が付いた小さな花の模様がある丈の長いドレスだ。半袖で肩のところが尖っている。前を白く幅の広い長い帯で締めている。生地の重なり合う部分はひだを作ってそのうえで畳み込んでいる。
その彼女を見てだ、ミガは友人達に言った。
「俺と同じだな」
「同じ?」
「同じって何だ?」
「あの娘だよ」
その緑の服の娘を見ての言葉だ。
「あの娘は俺と一緒だな」
「一緒ってどういうことだ?」
「どう一緒なんだ?」
「一緒っていっても色々だがな」
「どういうことなんだ」
「ああ、あの服はゴメスっていってな」
ミガはその服の名前から話した。
「そして俺の部族の服だ」
「ブガンダ族のか」
「あの部族の娘か」
「御前と同じ」
「教育学部にもいたんだな」
ブガンダ族の者がとだ、ミガは気付いた様に言った。
「まあ考えてみればあることだな」
「アフリカは凄い数の民族いてな」
「我が国もでな」
「ブガンダ族っていっても結構いてな」
「この学校でもそうだろ」
「だからだな」
ミガも友人達の話を聞いて納得した。
「この大学の教育学部にブガンダ族の娘がいてもな」
「普通だろ」
「そうだろ」
「ああ、そうだな」
こう言って納得してだった、そのうえで。
コンパがはじまった、料理と酒も来てだ。ミガは酒を飲みながらゴメスを着た娘との話に入ることにした。
すぐにだ、彼は相手に声をかけた。
「ちょっといいか」
「はい」
微笑んでだ、女はミガに応えた。
「何でしょうか」
「その服はゴメスだな」
ビールの大ジョッキを右手に問うた。
「そうだな」
「はい、そうです」
微笑んだままでだ、女は答えた。
「私の部族の服です」
「あんたブガンダ族か」
「そうです」
「やっぱり俺と一緒か」
ここまで聞いてだ、ミガは頷いた。
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