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小さかったあの娘
2部分:第二章
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 見守るだけで  他人が手に入れてはいけないんだ

 決して


6.ガラスの中の猫
 澄んだガラスの中に映る  小さな猫達

 有り触れた細工だけれど  目に止まったよ

 猫はいつも心にいて  目の前にいてくれるけれど

 ガラスの中の猫達もこうしていてくれる

 緑色に光る目に無邪気な心

 それがあるだけでいいんだ  それだけでいい

 何もかも失い荒れ果てた僕の心も

 側にいてくれるだけで癒してくれた猫だから

 多くは望まないから  側にいて欲しい

 垂れた耳の子猫に願うことは一つだけ

 ずっと一緒にいて欲しい  ガラスの中で

 
 光るガラスの中にいる  綺麗な猫達

 よく見る細工でしかないのに  気に入ったよ

 猫はいつも側にいて  僕を宥めてくれるけれど

 今度はガラスの中の猫達も来た

 小さな細い声に気まぐれの優しさ

 あまり大したものじゃないけど  それで充分だ

 やさぐれてどうしようもなかった僕を

 そこにいてくれただけで元に戻してくれたから

 その姿を僕に見せて  それだけでいいんだ

 柔らかい毛の子猫に頼むことは一つだけ

 ずっと慰めて欲しい  ガラスの心を


 垂れた耳の子猫に願うことは一つだけ

 ずっと一緒にいて欲しい  ガラスの中で

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