第26話 帰宅、そして―――
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伸びしろを上手く促せない自分。それにまだ見ぬ一子の新しい師に僅かばかりの嫉妬をの。そうじゃろ?」
「全部言わなくてもイイじゃないですカ!」
図星を言い当てられて、全て曝け出されたルーが鉄心に抗議する。
しかし鉄心は受け入れるどころかさらに突っ込む。
「ルーよ。答えは出てるんじゃろ?此処で反対するのは一子の為では無く自己満足でしかないと」
「・・・・・・勿論デス。――――一子の気持ちは分かったヨ。その上、ワタシの未熟な指導力のせいで一子をそこまで押し上げられないのは、今回の事で自覚させられたしネ」
「そんな!ルー師範代のせいじゃなく、アタシが悪い――――」
「違うヨ一子、これはワタシ自信の問題サ。だから自分の未熟さを受け止めた上で言わせてもらうヨ。士郎君、如何かワタシの愛弟子川神一子をヨロシクお願いします」
ルーは愛弟子一子の為、真摯な姿勢で頭を下げた。
それに士郎も謙虚な態度で応じる。
「いえ、若輩のみではありますが、出来る限りルー師範代の愛弟子である彼女をサポートして行きますよ」
士郎の言葉と態度にルーは満面の笑顔になり、一子は何度も頭を下げた。
無事問題解決となった場で、鉄心は百代に一子、それにルー師範代の3人に気付かれないように士郎にアイコンタクトを取る。
(しろ)
(報告しますよ勿論。当然でしょう?)
(・・・・・・・・・・・・儂、今年の夏を生きて迎えられるかのう?)
心からの溜息を人知れずつくのだった。
−Interlude−
士郎は最後に冬馬達を送り届けていた。
明日は金曜なので今日くらいならとも思えるが、士郎の事情により今日は帰ってもらうになっていたのだ。
「ありがとうございました、士郎さん。今回も楽しかったっすよ」
「百代たちと鉢合わせたから、ゆったりとは出来なかったけどな」
『・・・・・・・・・・・・』
士郎の口から出る百代と言うキーワードに、冬馬と小雪は複雑な心境が絡み合って神妙な顔つきのまま黙る。
それに対して士郎は首を傾げる。
「如何した2人とも?」
「えっ!?」
「あっ!?」
「若もユキもちょっと疲れてるんすよ」
2人の変な反応に準がフォローに入る。
「そうか。ならゆっくり休んで風邪とかひかない様にな」
「・・・はい」
「うん・・・おやすみシロ兄」
「お疲れ様でした!」
3人からの返事に手を振る事で答えた士郎は、車を発進させた。
それを遠くに見送る3人の内、小雪と冬馬はまだ矢張り複雑そうだった。
そして準も、そんな2人に掛ける言葉を探しながら考えていた。
(全く士郎さんも罪作りだぜ。俺は興味ないが、多くの綺麗な造形然
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