暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第233話 気になる瞳
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舞われる。辻デュエルだというのに、月例大会、いや 統一デュエル大会の決勝戦の様な、そんな緊迫感が場に生まれつつあった。


 観客(ギャラリー)達も、気付いたらしく、徐々に声援は小さくなっていっているが、その空気をいち早く 気付いたのは リュウキの事やランを知っているメンバー達だった。

「…………」

 最初こそ、いつもとは違ったランを見れた、と言う事もあって、何処かのんびりと笑っていたユウキだったが、始まる前から こんなに緊張したのは、いつ以来だったかわからない。いつも、楽しい事が多かったから。

――初めてデュエルをした、あの世界(・・・・)以来かも………。

 とユウキの中では過ぎっていた。
 ユウキが、初めて仮想世界に来て、そして初めて戦った。強い想いを込めて戦った時以来だと思えたんだ。

「ふぅ、やっぱり気になってたみたいだね」
「あはっ、うんっ!」

 アスナは、リュウキの姿を見て、軽くため息を吐きつつも、笑顔だった。勿論、レイナも同様だ。そんな2人を見てユウキは 訊いた。

「あのお兄さん……強いでしょ?」
「え?」

 ユウキの最も近くにいたのはレイナである。その言葉を訊いて、ゆっくりと頷いた。そして、笑顔をユウキに向けた。

「勿論っ!」
「……そっか」

 レイナの笑顔を見て、ユウキも思わず笑顔になった。そして笑顔を向けたまま、ユウキは視線をランへと向けた。

「でも、姉ちゃんだって負けないよっ。すっごく強いんだから」
「あはは……。それは知ってるよー。だって、今体感したばかりなんだからさ?」

 半分程HPを削った。今までの戦績を考えれば、タッグ戦では2人合わせても1割程しかHPを削れなかったらしく、文句なしの新記録、なのだが…… 如何にリュウキに『仇討ちを〜』とレイナは言っていたとしても、やっぱり 悔しさはある様子だった。

「でも、リュウキくんも負けないよ」
「そうだね。ちょっと、ボク、楽しみになってきた。自分の事みたいにさ」

 それ以上は言葉はなく、目を輝かせながら、ユウキはリュウキとランの2人に集中したのだった。

 固唾を呑んで見守る周囲を他所に、リュウキとランは 笑顔で形式、ルールの再確認をしていた。

「翅はあり、空中も地上もOK。エリアはこの広場。上空の制限は限界高度まで。これで良かったですか?」
「ああ。問題ないよ」
「ふふ…… では」
「ああ。そうだな」

 ランは、システムウインドウを操作した。
 そして、アスナとレイナの時同様にデュエル申し込みが、リュウキ側にも表示される。その後に表示される決闘形式。選ぶのは勿論《全損決着モード》だった。
 リュウキは迷う事なく、OKボタンをタッチ。目の前の少女のカーソルに、《
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