暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第233話 気になる瞳
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い声援も湧いてしまう。

 場にいたのは、当然ながら、男性プレイヤーだけではない。絶剣と剣聖の魅力は、その愛くるしい容姿だけではなく、寧ろ、それ以上だといっていいのが、先ほど披露したばかりの、オリジナル・ソードスキルにあった。
 必殺技級のスキルだから、男女問わずに人気が出てくるのも仕方がないのである。

 勿論、その声援を訊いて 頬を膨らませたり、冷ややかな視線――射殺しかねない視線を向けたりする者達だっているのだが、当の本人には、その視線には 何も感じてない。仮に、その視線に気づいたとしても、『――なぜ怒っている?』と直接聞きに来るだろう。つまり、判らないということだ。

 当の本人は、この状況を、ただただ、面倒な場面に遭遇、程度にしか思っていない。
 ……決してうれしくはないのだが、ここでも、積み重ねがある。つまり、最早慣れっこだといっていいから。


「ん?」
「なんだろ??」

 そして、場が突然騒がしくなったのに勿論ユウキとランは気付いた。
 その騒動の中心に注目する。銀髪のプレイヤー、NPCではないだろうプレイヤーが1人……出てきているのに気付く。 
 当然だと言えばそうだろう。背中を押された為、円を描く様に観戦していたグループから1人だけ、前に来ているのだから。

「…………」
『…………』

 ここで、目があったのは、ランだった。銀髪の彼と目があった。

 その瞬間、ランにある事(・・・)が起こった。

 何が起きたのかを、説明しろ、と言われれば、説明などできない、と返す。

 理由は説明できない、……ただ、彼と()があった瞬間に、魅入られたのだ。


―――まるで、偉大な画家が描いた絵画に、直面した時、自然に魅入られる様に。
―――まるで、美しい大自然が作り出す現象、オーロラを初めて見たかの様に。
 

 理由は説明できない。だけど、本当に魅入られてしまった。――その瞳に。

 そして、それと同時に 自分にとって必要(・・)だと言う事も、直感した。

「ん? 姉ちゃん??」

 ユウキの目には、突然固まってしまった様にしか見えなかった為、少々戸惑っていた様だ。本当の目的を果たした今、その事に対する喜びしか無い筈だったから。
 ランは、数秒……返事をする事はなく、ユウキがランの前に出て、視界を遮られて初めて、呼ばれている事に気づいた様だ。

「ねーちゃんっ!!」
「っっ!? ど、どうしたの??」
「どーしたの、って。それはこっちのセリフだよー。どしたの? ぼーっとしててさ?」

 ユウキは、首を傾げながら聞いた。
 その隣にいた、アスナも何処となく心配をした様子で、自然と視線をランの方に向けていた。云わば身内絡みだから。だけど、同じく身
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