第8話
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だと助かるんですが。」
東方風の男が去って行くとツァオは溜息を吐いた。するとその時
「……契約分はきちんと働いているつもりだがな。」
何と何もない空間から黒衣の男―――”銀”が現れた!
「おお……いらしてたんですか。いやはや、失言でしたね。」
突然現れた男に気付いたツァオは動じる事もなく、口元に笑みを浮かべて答えた。
「フン………わざと聞かせたのだろう?相変わらず喰えない男だ。」
「いやいや、貴方ほどでは。ところで今宵はどのようなご用件で?軍用犬への対処をする気になっていただけましたか?」
「あの程度、お前の部下どもで何とかできるだろう。私が相手をするのはガルシアを始めとするルバーチェの主力のみ………そういう契約だったはずだ。」
「やれやれ、つれないですねぇ。何やら”アルカンシェル”に拘ってらっしゃるようですが………ここの警察はなかなか優秀だ。こちらへの面倒事は困りますよ?」
銀の答えにツァオは溜息を吐いた後、目を細めて銀を見つめながら忠告した。
「クク、心配は無用だ。それよりも………”特務支援課”、どう感じた。」
「ふむ………用件というのは彼らについてでしたか。そうですね―――興味深い若者たちでしたよ。特にリーダーらしき、ロイドさんがいいですねぇ。自分の力不足を痛感しながらもひた向きに前に進もうとする………カンも悪くないようですし、なかなか好みのタイプです。」
「お前の趣味は聞いていない。他のメンバーはどうだ?」
「フフ、これがまたなかなか興味深い面々でして。マクダエル市長のお孫さん………相当な政治センスをお持ちのようで参謀役と言ってもいいでしょう。エプスタイン財団の娘さん……魔導杖そのものも興味深いですが特殊な資質を持っているようです。赤毛の彼は………フフ、これは私のカンですが我々と似たような匂いがしますね。そして最後に”剣聖”の娘さん………フフ、最年少”八葉一刀流”の皆伝者にして最年少Sランク正遊撃士になる事が噂されている程の遊撃士としての実力もそうですが”Ms.L”としての財力、人脈を考えればその気になれば状況を変えられるまさに”化物”と言ってもおかしくないとてつもないお嬢さんですね。フフ、一体何を考えて遊撃士を休業して”特務支援課”に出向したのやら。」
「………なるほど。………………………」
ツァオから”特務支援課”の話を聞いた銀は考え込み
「しかし……どうしてまた彼らに興味を?」
「なに………少々、試したくなってな。この私の―――”銀”の依頼を託すのにふさわしい相手であるのかを。」
ツァオの疑問に静かな口調で答えた。
そして翌日、朝食や朝のミーティングを済ませたロイド達は今後の捜査についての
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