第8話
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の事件の真相に何か気づいているんじゃないか?」
「………………ふふっ、良い所に目を付けたわね。面白いものを見せてくれたお礼にいい事を教えてあげるわ。―――あの脅迫状は”銀”が出したものじゃないわよ?」
「へ………何でそんな事がわかるんだ?」
レンの口から出た予想外の答えに呆けたロイドは不思議そうな表情で訊ねた。
「うふふ、”黒月”の支部長さんがわざわざ”銀”の事を教えてくれたじゃない。『影のように現れ、影のように消え、狙った獲物は決して逃がさない』って。そんな人がわざわざ脅迫状なんてものを出して”獲物”自身に警戒させるような意味不明な事をするかしら?」
「!言われてみればそうだな…………でも、それだとイリアさんに対する脅迫状はどういう事なんだ……?」
レンの指摘を聞いて目を見開いたロイドは真剣な表情で考え込み
「その脅迫状が”囮”で本命がいる可能性もあるでしょう?例えばアルカンシェルの新作の公演に”イリア・プラティエでない誰かが暗殺された場合”、この場合の犯人は真っ先に誰が思い浮かばれるかしら?」
「!!”銀”という”囮”に目を向けさせて、”犯人”がイリアさんでない誰かを殺害する可能性もある………そういう事か……!…………でも、その場合一体誰が狙われるんだ?」
レンの説明を聞いたロイドはある仮説が頭に思い浮かべた後レンに訊ねた。
「………うふふ、ここまで”ヒント”を出してあげたのだから、後はロイドお兄さん次第よ。―――第一これ以上ヒントを出してロイドお兄さん達の成長を阻害するような事になれば、どこかの誰かさんから文句を言われるかもしれないしね。」
しかしレンは意味ありげな笑みを浮かべてロイドの質問に答えず、静かな表情で呟き
「へ…………」
「それじゃあレンも今夜はこれで失礼するわ。お休みなさい(グッドナイト)。」
自分の言葉を聞いて呆けているロイドを気にせず、上品な会釈をした後その場から去っていき、レンが去って行った後少しの間考え込んでいたロイドは明日に備えて休むために部屋に戻って行った。
〜黒月貿易公司〜
「―――以上が今週の成果です。連中が投入してきた軍用犬がいささか厄介ですが………”銀”殿さえいれば、戦力面での不足は補えるかと。」
一方その頃、ツァオは東方風の男から報告を受けていた。
「ふむ、わかりました。市内での体制はこのまま継続。あとはそうですね………アルタイル市に派遣した人員を半分ほど呼び戻してください。」
「承知しました。それではツァオ様。お休みなさいませ。」
「ええ、お疲れ様。ふう………困りましたね。長老方の助けを借りるのはさすがに後が恐いですし………やれやれ……”銀”殿がもう少し協力的
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