GW編
第17話『合宿』
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し、それなりに練習を積まなきゃならないってのはわかる。部長が1年かかった『魔力の源宿し』という段階は。
部長曰く、『大事な所だけをかいつまんで行い、1秒でも早くお前らが魔術を使えるようにするための練習だ』ということらしい。
部長は一度会得の道を歩んでいるから、その言葉を疑っている訳ではない。しかし、もし仮にこの練習が関係ないものであったならば、その時は今しがた鍛えた渾身の掌底で部長の顔面をぶん殴ることにしよう。うん、決めた。
「もうちょいコツとかないんですか、部長?」
「言ってしまえば、勘と運だな」
「つまりないんですね…」
俺の希望の質問を見事に打ち砕いてくる部長。あまりの雑さに暁君が苦い顔をしているよ。
「まぁ今のは冗談だ。三浦には前も言ったが、魔術には“信じる心”が大切なんだ。宇宙人や幽霊なんて信じてたら見えるとかあるだろ。つまりその心さえ有れば、会得にグッと近づけるんだ」
「あー…よくわかりましたけど、幽霊は見たくないです…」
部長の返答に率直な言葉を返す俺。そう言えば、最初にそんなことを言われた気がする。
でも"信じる心"ってよくわかんないなぁ。
「よし、そろそろ昼食の時間だから一旦休憩! 宿に戻るぞ〜」
「「はい…」」
もうあの畳の上で寝たい…。
*
「で、2人ともまだ何も変化の兆しはないと」
「そうなんだよ。やっぱ時間かかるかな〜」
「あんたが教えるからダメなんじゃないの? 次は私が教えようかな〜?」
「断る」
広間でご飯や味噌汁といった和食の昼食を食べる中、隣から部長と副部長の対談が聞こえてきた。やっぱり喧嘩腰な気がするけど、真面目に俺らについて考えてくれてはいるようだ。
「先輩、また次もランニングですか〜?」
「ん、あぁ。お前らは引き続き体力作りをやってくれ」
「「うぇ〜…」」
怠そうに声を上げる2年生方を見て、俺は申し訳ない気持ちになる。自分はたまたま魔術の素質があったからいいけど、先輩方にはそれがないので、この合宿はほぼ無意味なものなのだ。
・・てか、俺達の練習の間ずっとランニングしてたのか。つくづく可哀想だな。
「とりあえず飯食ったなら一度部屋に戻れ。今の内に休んでおいた方が良いぞ〜」
「「へぇ〜い」」
部長が一声掛けた途端、猛スピードで先輩方が部屋に戻っていった。そんなに休みたかったのかな。まぁ俺もあの畳が恋しいけど。
「部長、ちょっといいすか?」
「何だ、暁?」
今広間に残っているのは、俺と暁君と部長と副部長。
その中で暁君が部長に声を掛けた。
「魔術って別のやり方で会得
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