暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
GW編
第17話『合宿』
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「そういう問題」


未だに部長と副部長の言い争いが続く。
これに関してはたぶん、部長が正しいと思う。これを聞く限り、今までも副部長はあまり部室に顔も見せなかったようだ。部活動紹介の時ですら、その姿は見ていない訳だし。


「先輩。争ってても時間の無駄ですよ。今日泊まる所とか決まってるんですよね?」


さすがに長引くと思ったのか、2年生の先輩が間に入った。

泊まる場所、か。全然考えてなかった。こんな山だけど、ちゃんとあるよね? まさか野宿とか言わない? 大丈夫?


「もちろん! そこまでバカじゃねぇからな」

「逆にそこまでバカだったら、もう私帰るわよ」


はは…副部長さん、言葉にかなり毒があるなぁ…。


「とりあえずそこまで歩くぞ」

「はーい・・・え?」


え、歩くの!? この山道を!?
もうちょいバスで行けなかったの?! まだバスが通れる位の幅の道だよ?!


「今回の合宿は体力を付ける目的もある。だから運動はできるだけやっていくぞ!」

「えぇ…」


体力をつけるため…。
もしかしてこの理由は、俺たち以外の部員を納得させるためのものだろうか。だって部員さん達はこの強化合宿には全く関係ないもん。魔術使えないから。


「つべこべ言わずに歩くぞ! 大体30分で着く!」

「絶対言うわよ!」


部長と副部長の言い争いはまだまだ続いた。







「着いたぞ〜」

「「はぁ…はぁ…」」

「ちょっと、全員バテ過ぎじゃない?」

「ホントホント。運動しないからだぞ」


部長と副部長らの言葉に反応も出来ないほど、疲れ切って地面に座り込んでいる俺ら。そりゃあんだけ山の中歩いてきたんだから疲れるのも当然である。しかも休息無しで。ここ大事。
てか、逆に部長たちがすごい。運動してるとこ見たことないけど、意外と体力あるんだな…。全くバテてない…。


「とりあえず宿に着いたから、早く入るぞ」


部長の言葉に顔を上げると、なんと温泉宿のようなものが目の前にあった。こんな山奥に、旅行雑誌に載りそうなほどの立派な宿が。


「マジっすかこれ…」

「マジマジ」


暁君の感想にも軽く答える部長。あの暁君も目の前の光景には目を疑っていたようだった。


「んじゃ入るぞ」

「早く来なよ」

「「……」」


宿に入っていく部長たちを、座り込みながら見据える俺たち。なんだあのハイペースかつマイペースぶりは。あの2人について行くのは、さぞ大変なことだろう。

宿についてようやく一段落・・・と思いたいところだが、それでもまだまだ変なことが起きるのでは、と勝手に想像する俺だった。
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