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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第7話
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ね。わたしたちからエリィさんを奪おうとしているみたいですし。」

「うふふ、レン達の前でヘッドハンティングをしようとするなんてさすがは市長の秘書をしているだけあって、度胸もあるわね?」

「はは、別にそんなつもりは無かったんだが………ただ君達は、彼女が元々政治家志望なのは知っているかい?」

ティオとレンの指摘に苦笑したアーネストは意外な事実を口にした。



「え……!?」

「おいおい、そうなのかよ!?」

「確かに政治や経済のことにとても詳しいみたいでしたが………」

「まあ、エリィお姉さんはマクダエル市長の孫娘なのだから、ずっと苦労し続けている大切なおじいさんに家族として力になりたいって考えるのは当然の事だから、おかしくはないわね。」

「ああ、市長の後継者としていずれ政治の道を志すべく、色々と勉強してきたんだ。そのために各国に留学して、深い教養と国際的な政治感覚を養っていたはずだったが…………去年、帰国したと思ったらいきなり警察入りを志望してね。」

「そうだったんですか………」

「……知りませんでした。」

「ま、何でこんなセレブなお嬢様が警察にとは思ったけどな……」

「色々と複雑な事情があって警察に就職したのは間違いないでしょうね。」

アーネストからエリィの話を聞いたロイドは頷き、ティオやランディは疲れた表情で呟き、レンは静かな表情で呟いた。



「できれば、彼女が結論を出すまで君達もそっと見守って欲しい。このまま続けたとしても……あんな風に迷いを抱えたままではとてもやっていけないだろうからね。」

アーネストがロイド達に自身の希望を伝えたその時、鐘の音が聞こえて来た。

「もうこんな時間か……お騒がせしてしまった。私はこれで失礼させてもらうよ。」

「あ、はい。」

そしてアーネストは去って行き、ロイド達はビルに入り、課長室でセルゲイに報告した。







〜特務支援課〜



「なるほど………ま、事情は大体わかったぜ。それで?このまま泣き寝入りすんのか?」

「な、泣き寝入りって……一課が出張ってきたのに俺達の立場で食い下がれるものなんですか?」

セルゲイの問いかけに疲れた表情で呟いたロイドは気を取り直してセルゲイに訊ねた。

「ま、無理だろうな。大方、あのキツネあたりがしゃしゃりでてきて厳重注意だろう。」

「ですよね………」

「なら、一課の手伝いを申し出るのはどうでしょうか?」

「いや、あの眼鏡スーツ野郎の態度を見る限り難しいんじゃねえか?」

「典型的な堅物だものねぇ。」

ティオの提案にランディは疲れた表情で否定し、ランディの推測にレンは呆れた表情で同意した。


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