7話
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削られてしまったが、まあ、誤差のようなものだ。
残りは近接武装のインターセプターだが、オルコットさんの特性を考えれば念のため対応は考えていたが警戒は正直していなかった。
「それが今回の僕の作戦です」
全て話し終えた僕はふぅ、と短くため息をつく。疲れた頭と身体でこれだけ長く喋るのは少々疲れる。
――――――――――――
この時、鬼一から話しを聞いた楯無は驚きを隠しきれなかった。
これだけの対策を考え、決定的なデータが無くてもそれ以外の部分から考察し結論を見出す力とその精度の高さ、そしてそれらを実行に移す迷いのなさと集中力の深さをだ。
確かに操縦技術、そしてIS操縦者に絶対必要な『センス』、操縦技術に関しては現段階では1年生の中では多少高い程度でセンス、つまり才能なのだがそれは目の前の少年からは正直感じられなかった。
センスを感じられる人は雰囲気や佇まいだけでもなんとなく感じられるのだ。特に楯無のように16歳で国家代表という1つのトップに上り詰めた人間としては、それを感じ取る力は強い。
正直、勝てるわけがないと思っていた。センスもない技術も碌にない人間がいくら舐めているとはいえ代表候補生に届くわけがないと。
だが、蓋を開けてみればどうだ?
最後に立っていたのは少年で、地面に伏していたのは代表候補生である少女。
センスについてどう考えているかは知らないが、技術に関しては少年の口から直接、自分は未熟だと言っていたし楯無もそう思う。
この少年は部屋に練習から戻ってきたら、真っ先にPCを付けノートを取り出し映像を見ながら何かノートに書いていた。多分10冊以上は書いていたはずだ。内容については絶対に見せてくれなかったが今なら分かる。
あれは全て、この戦いの為に準備していたのだと。
相手を徹底的に分析し、自分を客観的に解析することで何が必要で何が不必要なのか。膨大な思考、そして数少ない練習で複雑なトライアンドエラーがそこにはあったのだろう。
鬼一は口にしていないが多分今話していた対策も、それ以外に別の対策が用意されていることは容易に予想が出来る。
そして自分の結論を、自分に必要な行動を躊躇いなく信じ実行する姿勢。
迷いなんか微塵も感じさせず、恐怖を感じないのか問いたくなるほどの思い切りの良さ。
ISに乗っている人間は若い人が圧倒的に多い、そして搭乗時間は少ない。なぜならISの数は固定であるのに対して操縦者は年々増えているからであり、しかも、専用機持ちは自分のISだから気にならないがそれ以外の人間からすれば残ったISを短い時間で回すしかない。何が言いたいのか、結論としては圧倒的に経験値が足りない人間が多いのだ。経験が足りない故に自身の行動を疑ってしまう。
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