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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第28話 「乙女のツケは高くつく」
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。」
通話を切った更識は黙って携帯をこちらに差し出してきた。珍しく俯いていて表情は窺い知れないがなんか小刻みに震えてる気がする。もうすぐ夏なのに寒いのかな?なんて使い古されたボケを言うつもりはない。これは100%純正の怒りだ。
「れーいーくーん?何てことしてくれるのかなぁ、君は!?」
「千冬さんに電話しただけだけど?」
すっとぼけているようでそうではない。だって事実だもの。俺が千冬さんに電話して、必要があったから更識に携帯を手渡して、更識と千冬さんが通話した。それだけ。な?この上なく単純だろ?
「電話しただけって、貴方さっき篠ノ之博士の番号だって・・・。あ。」
「気づいたな、バカ会長。」
そう、俺は「束さんの」とは言ったが「束さんの電話番号」なんて言った覚えはない。というか言ってない。
「ちゃんと電話したろ?"束さんの"友人に。」
「やってくれるわね・・・。まあ私の不注意が原因か・・・。」
まったくもってその通り。暗部の重鎮ともあろう人間が不注意極まりない。まあ束さんと話せるかもと思って舞い上がっちまったんだろうけど。あの人超弩級の有名人だからなー。あとは俺の抜群の演技力の賜物だな。・・・そこ、そんな白けた目を向けない。
「おねーさんを騙したツケは高くつくわよ。覚悟しておいてね。」
「はいはい。分かったからさっさと帰れ。」
テンプレのような捨て台詞を残して更識は去っていった。ドアが閉まる直前に千冬さんの声が聞こえた気がする。これは連行不可避だな。骨を拾うほどの仲じゃないから上手い具合に生きて帰れよ。
「・・・さてと。」
嵐が去った、と言いたいところだがこれからもっと面倒なことが待っている。先程から耳元でうんざりするほどコール音が鳴り響いているのだ。間違いなく拗ねてるな、こりゃ。とりあえず相手の要求を聞こうじゃないか。
「・・・どうも。お待たせしました。」
『この束さんを差し置いて他の女の子とイチャコラしてるなんて良い度胸してるねー、れーくん?』
開口一番で皮肉とはご機嫌斜めなことで。会話してくれる辺り思ってたよりは機嫌は悪くないようだが。・・・ってちょっと待て。なんで束さんが応答する前の俺の状況を知ってるんだ?この人確かにチートだけど、流石に人類の枠は超えてないはずだぞ。目覚めちゃったの?良い迷惑なんだけど。
「なんでそんなこと知ってるんです?」
『いやぁ、持つべきは親友だよねー♪』
・・・なるほど。どうやらあの鬼寮監、呼び出された腹いせに束さんに余計なことをチクったらしい。危惧していたほど怒っていないのはそういうことか。久々に千冬さんと話せて嬉しかったんだろうな。まあそのせいで俺が被害に遭ってるわけだが。
「・・・把握しました。それでどうすれば機
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