暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
6話 セシリア戦
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る。
 装甲が剥がれ、武装が壊され、衝撃と痛みが次々と襲いかかる。

 だが、それもすぐに止まる。

 「!? しまった、エネルギーが!?」

 ビットが止まり、オルコットさんの元に戻る。
 その様子を確認した僕は残っていたミサイルを発射しリロード、残りを撃ち尽くす。弾がなくなった瞬間にすぐさまパージして身を軽くする。
 パージと同時にレール砲と羅刹による同時射撃。

 飛来してくる弾丸を避け、追いかけてくる高誘導ミサイルを迎撃するオルコットさん。だが、全部で64発にも渡る数なのだ。しかも扇状に発射している以上、回避にも意識を割いている以上対応には時間がかかる。

 迎撃しているなら―――! 
 ここが正念場だ! 力を貸してくれ鬼神!

 迎撃する間に更に距離を詰める。
 打ち消せないほどのGに身体が悲鳴を上げるが、そんなことは関係ないと言わんばかりに再度加速。
 付け焼刃とは言え、このテクニックはこの状況なら十分に使えるはず―――!

 瞬時加速 イグニッションブースト。
 羅刹を放り投げ夜叉を構えて突進する。
 速度の上がった鬼神で肉迫する。

 僕は試合が始まってからずっとこうなるように動いていた。
 オルコットさんがビットのエネルギーを切らし回収する時を。
 距離を詰めることは鬼神の基本性能と被弾覚悟で臨めば、十分にクリア出来る内容だった。
 だが、ビットの攻略の最終的な結論として、僕は『ブルーティアーズ』そのものの攻略は断念した。技術があれば落とすことも出来たと思うがそれは出来なかった。
 僕の技術では落とすことも条件付きでなければ回避も防御もおぼつかない。
 故に、リスク承知でビットのエネルギー切れを起こさせることに神経を削った。

 僕はビットの強みは多角的な攻撃、ではなく攻防ともに使える利便性の高さだと思った。
 自身の周りに展開すれば、回避しながら近づいてくる相手を迎撃できる、それが1番怖かった。
 いくらなんでもダメージを負った薄い装甲の鬼神では、ビットの迎撃を耐え抜くことは困難だ。
 回避しながら近づくことが出来れば話は別だが、今の僕にはそんなことは出来ない。だからこそ、早い段階でビットを吐かせて遠距離で僕に攻撃させる必要があった。

 そして、いま、僕にとって最大にして最後のチャンスが巡ってきた。

 「おぉおおおあああああああっ!」

 僕は咆哮を上げながら裂帛の気合を込めて斬りかかる。
 
 さあ、出してこい。最後の兵装を―――!

 「―――かかりましたわ」
 
 不得手な距離に詰められてもオルコットさんは余裕を崩さず、笑みすら浮かべて告げた。

 「おあいにく様、ブルーティアーズは6基ありましてよ!」

 スカート状アーマーから
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