暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
6話 セシリア戦
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、煽って、それで1番警戒が薄いところに撃ってくる。

 右から飛んできた射撃を夜叉でガードし、左前方に見えたビットは防御弾頭で対応する。
 ビットの射撃の合間に細かく観察する。

 オルコットさんはビットを展開している間はライフルによる狙撃はできない。多分、ビットの制御に意識を割いているからなんだろう。
 だけど途中様子見でレール砲を撃ってみたがあっさり回避された。回避行動は問題ないが、狙撃には繊細な集中力と技術が要求されるから実行できない。
 現在の試合時間は始まってから既に25分を超えている。
 ここまで1回もビットを回収していない。
 そろそろか。
 
 だが、突然閃光の嵐が止み、ビットがオルコットさんの元へ戻っていく。

 よし―――。

 「?」

 なんだ? 回収するわけじゃないのか?

 「26分。持った方ですわね。褒めて差し上げますわ」

 突然何を言い始めるんだ?
 
 「……」

 まあいい。

 チラリと鬼神の状態を確認。
 シールドエネルギー残量348。機体ダメージ小破。両肩ミサイルランチャー中破。残弾64発。羅刹残弾15発。レール砲残弾12発。夜叉使用可能。
 よし、十分すぎるほどだ。まだ全然戦える。

 「このブルティアーズを前にして、初見でこうまで耐えたのはあなたが初めてですわね」

 そう呟きながらオルコットさんは浮いているビットを撫でる。
 素直に回収してエネルギー回復しておけば、きっと勝てていたのにな。今はもうエネルギー残っていないだろうな。

 目の前にいるのが男だからか、それとも初心者だからか、それともその両方か。余裕の表情を崩さない。
 安心するのはまだ早いぞセシリア・オルコット。
 僕の戦いはここからなのだから。

 「では、閉幕と参りましょう」

 ここからが開幕、の間違いだよそれは!

 銃口が僕に向けられる。それに呼応するようにビット4基が接近する。
 正面に再度展開されたそれを見て、スラスターを全開で噴射し飛び出す。強い衝撃に一瞬意識が白くなるが、歯が砕けんばかりに食いしばり耐え抜く。
 複数の光が鬼神をすり抜ける。
 突然の僕の行動に虚を突かれるオルコットさん。が、すぐさま引き金を引く。

 僕の攻めを凌いだら、そっちの勝ちだ。

 「左足、いただきましたわ!」

 「っ! おおおおおおぉぉおぉっ!」

 左足に突き刺さる閃光。保護機能があってもその衝撃と痛みは決してなくならない。あまりの激痛に叫び声を上げる。
 でも、そんなのはどうでもいい。
 勢いをそのままにオルコットさんとの距離を詰める。

 それを見てオルコットさんは、すぐにビットを僕に向けて飛ばす。
 再度、光の乱舞が襲いかか
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