暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
6話 セシリア戦
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こいつらは。

 ISからアラート音が鳴る。ロックオンされた際の警告音。ブルーティアーズ、射撃モードに移行。
 視界の隅にそんな表示が出る。武装のセーフティーロックも解除したか。

 顔を赤くしたオルコットさんは声を荒げながら銃口を僕に向ける。
 さあ、ここからだ。

 「よろしいですわ! そこまで言うならもはや、泣いて謝っても許しませんわ!」

 僕はすかさずスラスターを短く噴射して僅かに前に進む。
 この距離じゃないと出来ない。

 「お別れですわ!」

 ズギュン、と耳に届く独特な発砲音。銃口から発射される閃光。

 「……っシ!」

 左足を鋭く踏み込むと同時に、右手の籠手に防御用のエネルギーが展開される。
 なぎ払うように右手を振るう。
 レーザーとエネルギーがぶつかり合い、相殺する音がアリーナに響く。
 鬼神の無力化武装『鬼手』が光を打ち消す。

 「……っえ?」

 誰が発したのかそんな間の抜けた声が聞こえる。
 今起きた出来事を正確に理解したのは僕だけだった。

 まずはクリア。

 理解できない、という顔をしているオルコットさんを確認して最速でスラスターを最大出力で飛び立つ。
 先手を取るために羅刹を向け、引き金を絞る。

 「!?」

 動揺していても流石代表候補生、狙いの甘い射撃は簡単に避けるか。
 僕とて自分の射撃技能ではいくら不意をついても、遠距離戦で当てれるとは思っていない。
 だけど、重要なのはそこではない。

 オルコットさんの表情を見るに、今の出来事をまだ把握しきれていないみたいだ。
 いいのかオルコットさん? 考えている間に戦いはどんどん進むぞ?

 無機質な電子音が耳に入る。どうやらロックオンされたみたいだ。
 それなら―――!

 身をよじり左に強引に進路を変更する。
 再度放たれた閃光が右肩の装甲を剥がしながら通過する。

 っち! わかっていたが本当に速い!

 オートガード機能によって身体を保護してくれているが、それでも全てのダメージを打ち消すことは出来ない。
 鋭い痛みが走り、体制を崩しそうになるがすぐさま体制を立て直し再度直進。

 バリア貫通 ダメージ29
 ダメージ量が表示され、自身のシールドエネルギーを確認する。
 
 残り561、450を切るまでにあのビットを引きずり出さないとかなり厳しい展開になる。だけど練習のおかげで操作にミスはない。
この操作精度を維持しながら、位置調整して距離を潰せばアレが出てくる。

 僕はオルコットさんの対策を考えている際、オルコットさんは開始直後はビットをほとんど使わずあのライフルを中心に戦う傾向があるのを知った。ある程度距離を詰めて中距離に切り替わった
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