暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
5話
[2/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
け、水色の髪の毛をした女性は手を合わせて頭を下げていた。

 「ごめんね? ホントーにごめんね。別に襲ったりしようとしたわけじゃないの」

 鼻をすすりながら彼女を睨みつける。いや、睨みつけようとしたわけではないのだが、自然とそうなってしまった。
 時間が経つにつれて気持ちが落ち着き、落ち着いてくると思考にも余裕が生まれてくる。そして彼女が何者か思い出した。

 「……それで、何の御用でしょうか? 更識生徒会長?」

 そう、彼女はIS学園最強の称号を表す生徒会長の更識 楯無なのであった。
 僕が少しずつ落ち着いていくのがわかったようだが、申し訳なさそうな笑顔で声をかけてくる。

「大丈夫? ちょっとしたお話しがあるんだけど……その前に着替えてくるね」

 そのまま、足早にトイレに向かう。
 後ろ姿でわかったが、エプロンの下には水着を着ていた。
 だからなんだと言われればそれまでの話しなのだが。

 更識 楯無、IS学園2年生にして生徒会長。そして現役のロシア国家代表。専用ISは、ミステリアス・レイディ。IS戦、肉弾戦問わず世界トップクラスの『天才』と言っても差し支えないだろう。
 そんな人が僕に何の用がまったく想像もできない。

 ……ん? さっき、彼女は僕の部屋に住むとか言っていなかったか―――?

 待て、なんで彼女は僕の部屋に住むことになったのだ?
 僕は完全に個室だと話しを聞いていたが、なぜこんな土壇場になってそんな話しになったのだ? 落ち着け、考えろ。常識的に考えて、女性と一緒の部屋にするなんておかしい。でも、現実では彼女は住むと言っている。しかもこの学園1の最強にして有名人がだ。そんな彼女がどうして男性操縦者の僕と? 彼女はロシアの現役国家代表、つまり、僕との同室が何かに必要だったからか? 将来的な人脈? いや、こんな大掛かりな真似をする必要はない。……僕を1人にするわけにはいかなくなった? でも、なんでだ?

 頭が思考の海に沈んでいくが、頭を振って1度切り替える。

 視点を変えよう。
 例えば一夏さんは今日から突然寮に入れられ、誰かと相部屋になった。なんで相部屋になった? 時間がなかったから。いや、違うそこじゃない 。
 なんで『今日から寮に入れられることになった?』 ……貴重な男性操縦者を1週間も離れさせるわけにはいかなかったから。何かあったらマズイからだ。極論、命の危険性があるからだ。だから慌てて日本政府が対応したんだ。
 IS学園外が危険だから、命を狙われる可能性があるから一夏さんは突然寮に入ることになった。でも僕は以前から今日に入ることが決まっていた。
 いや、待て。
 一夏さんと僕をなんで同じ部屋にしなかった? 一夏さんと相部屋の誰かではなく、同じ男性の僕に
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ