暁 〜小説投稿サイト〜
IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第506話】
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
馬鹿野郎! 敵前逃亡は銃殺――」


 そう叫んだ矢先、隊長の足下に丸い物体が転がってくる。

 ついいましがた、敵前逃亡を図った兵士の頭部だった、その表情は涙でグショグショになっていて、半開きした口からはだらしなく舌をでろんっと出していた。

 それと同時に姿を現す男――手に持つ武器は、銃と剣が一体化した特異な武器だった。


「く、くそったれ!! よくもアンディを!!」


 勇猛果敢な兵士は、怒りを見せて現れた男に立ち向かう。

 振るった剣で何合か切り結ぶ――だが、一瞬の隙をつかれて周囲に発砲音が轟く。

 放たれた弾丸は、勇猛果敢な兵士の頭部を一瞬にしてミンチに変えた。

 返り血が流れ落ちる漆黒の装甲、隊長を除いた全員が戦死――既に戦意を失った隊長は――。


「や、止めてくれ! お、俺達が何をしたっていうんだよ!」

「…………」


 一歩近付く男に、後ずさる隊長、命乞いをするも男は歩みを止めない。


「俺達が何をした――か。 ……弱者を虐げ、女を犯し、気紛れで力を持たない人間をそのISを使って殺害してきた……だろ」


 壁際まで追い詰められた隊長、突き付けられた事実を否定し始める。


「お、俺達はそんな事しちゃいねぇッ! そ、そりゃ、占領した街の女を犯した事はあるが――。 そ、そもそもてめぇみたいなテロリストに、そんな事言われたくもねぇ!! 模造コア製造所の爆破、各国の将軍暗殺、オリジナルコアの奪取と破壊……!! 他にも――グゲェッ!?」

「…………」


 模造コアもろとも、男は隊長の心臓を突き刺す。

 口から大量の血を吐く隊長を、静かに眺めつつ口を開いた。


「……全てのコアの破壊が、俺の使命だ。 暗殺も、私腹を肥やし、弱者を虐げる者たちに成り代わってやってるだけ。 ……そのまま、お休み……」


 ゆっくりと刃を突き刺していくと、隊長の身体は摩擦するかのように震えだし、呪詛の言葉を呟きながら動かなくなった。

 周囲に立ち込める硝煙と血の匂い、刃を抜き取るとそれを粒子化すると虚空へと消えていく。


「……まだ戦争は続く……か」


 そんな男の呟きと共に、意識が一気に覚醒へと向かっていった。


――1025室――

 朝、ヒルトの部屋には窓から朝日が差し込んでいた。

 学園襲撃事件から数日、授業は再開されるも、アリーナの復興にはまだまだ時間が掛かっていた。

 テレビのニュースには一切取り上げられない襲撃事件、ヒルト自身何かあるとは思ってはいても現状、ただの学生という身分では何も出来ないのが事実だった。

 何も出来ない――なら、出来るようになるまで、ヒルト自身鋭気を養う事を優先し、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ