雨夜-レイニーナイト-part2/悲劇の前夜
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た。そのとき、かすかに自分が変身した姿でも見たのだろうか。でも、それだけでは自分がウルトラゼロアイを盗まれる理由としては弱い。だとすると…。
『サイト、思い出してみろ…思えば、ミシェルが俺たちのことを知っているかもしれない要素はあった』
『え!?』
ゼロの声に、サイトはぎょっとする。
『俺たちは人間の、この星の平和のために戦ってきた。けど、それを快く思わない奴だってきっといる。たとえ、俺たちから見て守るべき存在であるはずの人間からもな。
ボーグ星人たちが言っていただろ…?』
『ッ!』
以前の、ボーグ星人とゴドラ星人の起こした事件…。星人たちは、メイジたちを奴隷として売りさばいていた。その対象は、メイジを生態的に解明したがっていた別の星人だったり、果ては捕獲したメイジたちと同じ…この星の人間、それもどこかで息を潜めている腐れ外道な貴族もいる。そいつらはきっと、ウルトラマンを快く思わない。そもそも貴族たちの中には、自分たちの貴族としての権威を脅かす存在にウルトラマンもカウントしている奴もいたと、ワルドもルイズとの会話で言っていた。
不愉快すぎる話だ。守ってきた人間たちが、自分たちにとって都合が悪いからってウルトラマンを…。思い出したくもない、あの悪徳ジャーナリストの下卑た笑みを思い出してしまう。
(………考えたくもねぇ…思いたくもねぇよそんなこと…)
とにかく、ミシェルに話をしなければ。彼はすぐ二人の方を振り向く。
「二人とも、ミシェルさんを見なかった?」
油断すると声が上ずってしまいそうだった。だがぎりぎりのところで落ち着きを踏み留まらせながらルイズとハルナに尋ねた。
「ミシェルさん?確か銃士隊の副長だったよね。なんで?」
なぜ彼女のことを尋ねてきたのか、意味が分からないとハルナが首をかしげるが、サイトが鬼気迫る表情で訴えた。
「いいから教えてくれ!時間がないんだ!」
「え!?ええっと…私は見てないわ」
「ちょっと、どうしたのよサイト。あんた様子がおかしいわ」
「……」
「ちょっと、何か言いなさいよ。まさか、あんたあの女に…」
サイトは無言だった。その態度がルイズにはなんだか気に食わなかった。自分のこともそうだし、ハルナのことを保護すると言っていたが、どうしてここで関係のないはずの女…それも銃士隊の副長なんかのことを気にし始めているのだ。
「あ、平賀君!待ってよ!」
「ちょっと馬鹿犬!話はまだ終わって…」
しかし、サイトは最後まで何も言おうとせず、二人を置いて、今度は当人に問うことにした。足取りがやたら速い。二人はそれでもサイトが何を考えているのか気になり、彼を追い始めた。
ミシェルがここに来たことは、座長であるウェザリーや協力者であるスカロンにも話を通していたはずだ。ならまずは、支配人室へ行こう。
サイ
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