インデペンデンス
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ら、遠慮なく殴りに行けたんだがなぁ。全く、なんで精霊なんかに変わってるのやら」
「っ!? な、ならいいや、扱いが悪くても男女平等パンチされずに済むなら、そっちの方が断然マシだし……」
「まぁ、だからこそ俺はお前に少しは期待していたんだぞ、完全体?」
「え、私に期待? それはどういう意味?」
「なに、お前があの女を凌駕する実力を身に付けていれば、俺がやらずともクローンの社会的立場の向上が叶うのではないかと思っていただけの事さ。尤も、今のままでは色んな意味で弱過ぎて到底不可能だがな」
「わ、私……そんなに弱かった? でも生身でサイボーグに勝てる訳が……」
「オイオイ、俺が言うのもなんか変だが、やる前から諦めてどうする? それに生身がどうというのは実際大した問題ではない。なにせ閣下やエレンの他、ラジエル戦闘部隊の隊長クラスはタイマンで俺に勝ってるんだしな」
「いやいやいやいや!? あの人達は実力が文字通り化け物だから! 魔導師どころか人類の限界突破レベルを求められても私なんかじゃ到底届かないよ!」
「確かに閣下やエレン達は凄まじく強いが、だからって無敵な訳じゃないぞ。時と場合、状況次第では一矢報いるぐらいは可能さ。お前が敬愛する暗黒の戦士だってサイボーグでもないのに、ラジエルの面子でも折る事が出来なかったファーヴニルの角をへし折った。ま、要は生身だろうがサイボーグだろうが、どんな強敵が相手でも意志の力次第で不利な状況ぐらいどうとでも覆せるってことさ」
「意志の力……まあ、言わんとする事は何となく理解できるかな。でもビーティーの場合、それが母さんへの憎しみで培われているって考えたら辛いや」
とにかくフェイトはビーティーを母と姉に会わせるのはマズいと何だかんだで理解し、悔しいが説得は不可能だとも察した。遺伝子は同じなのに違う要素だらけという点、それはヒトの心の有り方を作るのは遺伝子よりも育った環境や周囲の人間の精神が大きく影響する事を意味する。フェイトとビーティーの間には、どうしても越えられない境目が存在していた。
なお、プレシアに対する怒りを露わにしているビーティーだが、実はこれでも随分マシになった方であったりする。というのもサイボーグになったばかりの頃の彼女は隙あらばプレシアへ放送禁止の暴言や呪詛を放っており、サルタナ達が約1年の時間をかけて徐々に常識面などの教育を施し、何とかここまでまともにすることが出来たのだ。
そんな訳でプレシアへの負の感情は未だ根強く残っているのだが、フェイトに関しては同じクローンのよしみか、ある程度の同族意識は持っているので手加減が出来ている。とはいえ性格は真逆で反りが合わないため、嫌悪感は抱かれてしまったが、そこは致し方あるまい。
「なのは。お前はビーティーを
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