第5話
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〜グリムウッド法律事務所〜
「―――失礼します。」
「おお、君達か。お疲れさま。頑張っているようだね。」
ロイドの声に気付いた事務所の中にいた男性――――イアンは書物の整理を止め、ロイド達に近づいて笑顔を見せた。
「はは………先生こそ。」
「相変わらずお忙しくしてらっしゃるみたいですね。」
「はは、もう慣れっこだよ。それはそうと………どうかしたのかね?何やら相談事があるような顔つきをしているが。」
「………驚きました。」
「はは、やっぱわかるもんスかね?」
イアンの言葉を聞いたティオは驚き、ランディは苦笑しながら尋ねた。
「まあ、そういった依頼人をそれこそ山ほど見ているからね。仕事も一区切り付いたところだし、相談くらいには乗れると思うよ。」
「先生………ありがとうございます。」
「それではお言葉に甘えさせていただきます。」
そしてロイド達はレンをイアンに紹介した後、事情を説明した。
「なるほど………アルカンシェルに脅迫状が。そして”銀”という差出人とルバーチェとの関係か………」
ロイド達の事情を聞いたイアンは考え込み
「何か………心当たりでも?」
イアンの様子を見たロイドは尋ねた。
「いや、あいにくそれらを結びつける情報は知らないが………”銀”という名前ならば心当たりがないわけではない。」
「え………!」
「本当ですか………?」
「ああ、同じ人物を指しているかどうかはわからないが………それでも構わないかね?」
「ええ、もちろんです!」
「今は少しでも手掛かりが欲しいところッスから。」
「ふむ………前に出張で共和国に行った時なんだが。奇妙な都市伝説を現地の人に聞かされてね。”銀”と呼ばれている伝説の凶手がいるらしいんだ。」
「銀―――いわゆる東方読みね。」
(やっぱりか……となるとレンは何か知っているんじゃないのか……?)
「その”凶手”というのは……?」
イアンの話を聞いて静かな表情で呟いたレンをロイドは真剣な表情で見つめ、ティオは疑問に思った事を口にし
「確か刺客とか、暗殺者って意味だったはずだ。主に東の方で使われてる呼び方らしいが。」
ティオの疑問にランディが答えた。
「ふむ、よく知っているね。まあ、優秀な傭兵のことを”猟兵”と呼ぶのと似たような習わしなんだろう。」
「しかし………その都市伝説というのは?」
「ああ、どうやら本当に実在しているのかどうかわからないらしくてね。噂では、仮面と黒衣で身を包み決して素顔を見せないという。影のように現れ、影のように消え、狙った獲物は絶対に逃がさない………そんな亡
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