第5話
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と符術を使いこなす、神速の迅さを秘めた闇の武術家………そんな存在として認知されています。噂では、とある組織に重宝され、よく仕事を任されているのだとか………」
「………………………」
「……その組織というのは………」
(ちなみにどこかの誰かさんは”とある組織”よりも早く長期契約を結んだけどね♪)
ツァオの説明を聞いたエリィはツァオを睨み、ティオは尋ねている中ツァオの口から出た人物と協力関係であるレンは表情に出さず、ただ黙って様子を見守っていた。
「ああ、そうそう。その”銀”ですが………噂では最近、東方人街から姿を消してしまったそうですねぇ。何でも、その組織から大きな仕事が入ったらしく………とある自治州に向かったのだとか。」
「あんた………」
不敵な笑みを浮かべて明確な答えを言わないでおきながらも、明らかに誰でもわかるような話を口にしたツァオをロイドは睨んでいた。
「ふふ、どうしました?その組織が何という名前なのか、私はまだ申し上げていませんよ?その自治州が何処なのかもね。」
「くっ……」
「……どうやら貴方方も”ルバーチェ”と同じようですね。」
「ふふ、たかが地方組織ごときと同じにしないで頂きたい……と言いたいところですが。彼らは彼らで、この特異な街に抜け目なく適応しているだけはある。なかなか手強く、私も手こずらせてもらっています。」
「おいおい………」
「………ぶっちゃけましたね。」
「ふふ、あくまで”ビジネス”の競争相手としての話ですよ。クロスベルは自由な競争が法によって保障されている場所……何か問題でもありますか?」
自分の話を聞いて目を細めているランディやジト目のティオにツァオは笑顔で答えた後尋ねた。
「………………………一つ、聞かせてください。そのルバーチェとの競争の中にアルカンシェルは入っていますか?」
「ほう……?」
そしてロイドの質問を聞き、意外そうな表情をした。
「以前、ルバーチェの会長は、アルカンシェルに対して帝都興行を持ちかけたそうです。同じようなことをお考えになってらっしゃるとか?」
「ふふ、確かに共和国の方ではそういった動きもあるようですが………あいにく、私どもの会社は芸能方面には関わっておりません。―――私としても不思議なのですよ。どうして、その脅迫状の最後にそんな名前が書かれていたのかがね。」
「………なるほど。」
ツァオの答えを聞いたロイドは頷いた後立ち上がった。
「―――色々と参考になりました。どうも、ありがとうございました。」
「あら、もういいのかしら?」
ロイドの行動を見たレンは意外そうな表情で訊ねた。
「これ以上、ここにいても得られるもの
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