第百九話
[6/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ら聞いていたPK集団通りの姿をしており、どうやらリズの悪い予感は的中したようだ。
「あいつらっ……！」
そして敵方に優秀な《索敵》スキルの持ち主でもいたのか、既にPK集団はそれぞれ戦闘準備を終えており、飛翔してきた俺たちを待ち構えるような態勢を取っていた。ならばこちらが取るべき手段は――と、飛翔する翼の音に紛れて魔法を唱える。
「ルクス！ 避けろ！」
抜刀術《十六夜・鎌鼬》――抜刀術による風圧に風力を加える魔法を加えることで完成する、全てを切り裂く大型のカマイタチ。狙いは待機するPK集団――と見せかけて、ルクスを捕縛している網。PK集団も数が多く、ルクスを救出してさっさと撤退する為の目くらましも兼ねた大技。
「…………っ」
――それは発動することなく、呆気なくポリゴン片となって砕け散った。日本刀《銀ノ月》は勢いよく空を斬ったものの、魔法は発動することはなかったのだ。
これが話には聞いていた、あのPK集団が使う魔法の無効化。出来るだけ魔法を使うことは隠していたつもりだったが、どうやら見破られていたらしく。大技を使おうとした分のポリゴン片が大気中に離散し、それに交じって風を切るような音が近づいてくる。
「キャッ！？」
「リズ！」
その音の正体は鎖鎌。リズの足首を正確に捕縛してみせると、そのまま大地に叩きつけようと急降下する。リズも翼で対抗しようとしているが、ソードスキルを伴った鎖鎌の方が勢いが強い。
「せやっ！」
先に抜きはなっていた日本刀《銀ノ月》で、その鎖鎌の鎖を中ほどから切り裂いたものの、リズの大地への勢いは止まることはなく。素早く日本刀《銀ノ月》を納刀すると、落下するリズを抱えて安全に着地する。
「あ、ありが……なんて言ってる場合じゃないわね！」
「そういうことだな……！」
リズを抱きかかえる形で落下した俺たちを待っていたのは、四方八方から襲いかかってくるPK集団のプレイヤーたち。それぞれがフードを目深に被っており、顔どころか使用する武器をも巧妙に隠している。
「リズ、頼む！」
とにかく地上は完全に囲まれていると、リズを抱きかかえたままもう一度飛翔すると、やはり空中から敵が襲いかかってくる。隙のない統率された布陣だったが、こちらとてただやられている訳はなく。抱えていたリズを解き放つと同時に、まるでロケットの発射台のような体勢を取った。
「ええ！」
そしてリズは遠慮など一切なくこちらを蹴りつけ、本当にロケットのような勢いを初速で得ることで、ルクスが捕縛されたネットへと突撃していく。その一撃にはメイスの単発重攻撃系のソードスキルも伴い、ちょっとやそっとで止まることはない。
「こっちはこっち、だな」
そしてリズに蹴
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ﾍﾟｰｼﾞ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿ｻｲﾄ〜
利用規約/ﾌﾟﾗｲﾊﾞｼｰﾎﾟﾘｼｰ
利用ﾏﾆｭｱﾙ/ﾍﾙﾌﾟ/ｶﾞｲﾄﾞﾗｲﾝ
お問い合わせ
2024 肥前のﾎﾟﾁ
しおりを解除