第4話
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〜アルカンシェル〜
「まったくイリアさんったら………いきなり抱き付いたりして、ロイドさんに失礼じゃないですか。」
「まあまあ、固い事言いっ子なし。それに弟君はお姉さんに抱き付かれてちょっとは嬉しかったでしょ?」
「はは………」
リーシャに注意をされたイリアにウインクをされたロイドは冷や汗をかきながら苦笑し
(うふふ、どうせならリーシャお姉さんに抱きつかれた方がロイドお兄さんにとっては嬉しいと思うけどね♪)
「……………………」
(セシルさんに続いて………)
(これがヒエラルキー………弟至上主義というやつか!この弟貴族っ!弟ブルジョアジーがっ!)
レンは小悪魔な笑みを浮かべてロイドを見つめ、ティオとエリィはジト目でロイドを見つめ、ランディは悔しそうな表情でロイドを睨んでいた。
「そ、それでその………脅迫状の件なんですけど。」
仲間達の様子に冷や汗をかいたロイドは雰囲気を変えるために話を戻して疲れた表情でイリアに尋ねた。
「ああ、そうだったわね。弟君の頼みなら仕方ない。ちゃんと手紙は持って来たわ。はい、これ。」
「ど、どうも。(頼まれたのはこっちだけど………)えっと………」
イリアに渡された手紙を受け取ったロイドは手紙の内容を読んだ。
新作ノ公演ヲ中止セヨ。サモナクバ炎ノ舞姫ニ悲劇ガ訪レルダロウ――――”銀”
「これは………」
「新作の公演を中止せよ………さもなくば炎の舞姫に悲劇が訪れるだろう―――”銀”。」
「確かに脅迫文っぽいな。」
(…………?ホントにあの人が書いたものなのかしら??)
(”銀”………―――!まさかエステル達の話にあったレンが以前雇っていた東方の伝説の暗殺者―――”銀”の事なのか……!?)
手紙の内容を知ったエリィ達は表情を厳しくしている中、レンは不思議そうな表情で首を傾げ、ロイドは真剣な表情で考え込んでいた。
「脅迫状というよりただの嫌がらせじゃない?言っちゃあなんだけどこの程度の脅し文句なんか珍しくもないんだし。」
「………そうなんですか?」
イリアの口から出た意外な答えが気になったロイドは劇団長に確認した。
「まあ、ウチもそれなりに儲けさせてもらってるからねぇ。やっかみ半分、面白半分で脅しめいた手紙はそこそこ届くよ。ただ、今回ばかりはちょっと気になることがあってねぇ………」
「気になる事………?」
「………差出人の名前ね?」
言葉を濁した劇団長の話を聞いたティオは不思議そうな表情をし、レンは真剣な表情で尋ねた。
「ああ、そうなんだ。今まで送られてきた脅迫文は無記名が殆どだったんだが………」
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