第4話
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「それが今回は”銀”という思わせぶりな名前が書かれていて………ただのイタズラとは思えない感じがするんです………」
「う〜ん………気のせいだと思うんけどねぇ。」
「ふむ………ちなみに皆さんは”銀”という名前に何か心当たりはないんですか?」
劇団長達の話を聞いたロイドは考え込んだ後尋ねた。
「まったくもって無いわね。そもそも人の名前なの、それ?」
「何かの暗号とかそんな感じはしますけど………」
「うーん、ウチの新作のタイトルに『銀』という言葉は入っているが………そのくらいだねぇ、心当たりは。」
「そうですか………」
「では………それ以外の心当たりはありませんか?失礼かと思いますが、最近、誰かの恨みを買うような事があったりしたとか。」
ロイドの疑問にそれぞれ首を傾げながら答えたイリア達の話を聞いたエリィは頷き、ロイドは質問を続けた。
「そ、それは………」
「うーん、まさかねぇ。」
一方心当たりがあるリーシャは目をそらし、劇団長は考え込んだ。
「あら………?あなたたち、誰かに恨まれる心当たりなんてあるの?」
「あ、あのねぇ………」
「私達ではなくて………イリアさんの話ですよ。ほら、つい先日、例の会長さんのことを………」
そしてイリアの問いかけを聞いて劇団長と共に脱力したリーシャは疲れた表情である出来事の事をイリアに指摘した。
「ああ、あのハゲオヤジの事か。あまりにどうでもいいからすっかり忘れてたわ。」
「そのハゲオヤジというのは………?」
リーシャの指摘を聞いてある出来事を呑気そうな様子で答えたイリアの話にその場にいる全員が冷や汗をかいて表情を引き攣らせた後気を取り直したティオはイリアに話に出てきた人物の事を訊ねた。
「ああ、マルコーニっていう脂ぎったハゲオヤジのことよ。”ルバーチェ商会”っていうゴロツキどもを使ってるっていう。」
「え………!?」
「ルバーチェ商会………!」
「その名前が出るかよ………」
「へえ?」
イリアの口から出たクロスベルの”裏”を牛耳っている組織―――”ルバーチェ商会”を聞いたロイド達がそれぞれ表情を厳しくしている中レンは興味ありげな表情をした。
「なに、どうしたの?」
「い、いえ………最近よく聞く名前なので。それでその………ルバーチェ商会の会長とはどういう経緯で?」
「よく接待かなんかでウチに客を連れてくるのよ。いつも貴賓席を使っているから相当、羽振りはいいんでしょうけど、舞台とかには全然興味ないみたいね。あたしの事も、演技とか全然見ないで身体ばっかりイヤらしい目で見てたし。」
「イ、イリアさん………」
「よく気付くねぇ、そんな事。
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