暁 〜小説投稿サイト〜
やはり俺が俳優なのはまちがっている?
プロローグ
[2/3]

[1] [9] 最後 最初 [2]次話
!ただいまの映像は今年の夏に公開される映画『劇場版 無尽合体キサラギ 〜宇宙の果てまでイッテきM@S〜』の予告でした!」

 春香の後に口を開いたのは千早だった。

 「この劇場版には特別ゲストが出演されております」
 「今見た人はわかってると思うけど、俳優の『|檜谷八≪ひたにはち≫』さんなの!」

 最後に口を開いた美希の言葉に観客席からどよめきが起こる。

 「みんなもすごいと思うでしょー?美希たちも初めて聞いたときはびっくりしたのー」
 「うんうん、皆半信半疑だったもんね」

 美希と春香の二人が仲良く話をしていると、カメラ付近にカンペが現れ、次の展開を指示する。

 「えー、ここでスペシャルゲストをお呼びしたいと思います!」
 「なんとなんと!スペシャルゲストは今の美希と春香の会話で何となく予想がついたと思うけど、檜谷八さんなの!」

 その瞬間、会場のどよめきが先ほどよりも大きくなる。

 「それでは檜谷さん、どうぞ」

 いつもと変わらない(表面上は)千早がそう声をかけると、舞台袖から件の青年が現れ、観客に一礼すると千早と春香の間に用意された席に座る。

 「こんにちわ、檜谷八です」
 「「「こんにちわ(なの)」」」

 四人が挨拶を交わすとトークが始まり、キリのいいところで次のコーナーが始まる。





〜番組終了後〜

 「お疲れ様でした」
 「あ、檜谷さん、お疲れ様です」

 眼鏡をかけたアホ毛の少年『檜谷八』は番組スタッフに挨拶をしながら、通路を進む。
 そして、出口に向かう通路に差し掛かった時、後ろからパタパタと走る音が聞こえ、後ろを向き、目を見開いた。

 「八君」
 「ちーちゃ……千早…」

 後ろから走ってきたのは千早だった。

 「えっと、どうしたんだ?」
 「あの……えっと…これ、渡してなかったと思って」

 そう言うと千早はポケットから小さく折りたたんだメモ用紙を取り出した。

 「私の携帯番号。映画の撮影の時はいろいろ忙しくて渡せなかったから…」
 「あ、ああ。ありがとう」

 そう言って、八は千早からメモ用紙を受け取ると、それを自分の胸ポケットに入れ、後ろを向こうとした。

 「また共演出来て嬉しかったわ。また、共演しましょう」
 「ああ、俺も共演出来て良かったよ」

 そして、八は「じゃあな」と軽く手を振ると、出口に向かう通路へと消えていった。
 千早はその後姿を見送り、楽屋に戻るべく足を踏み出した。





 『檜谷八』こと『比企谷八幡』がテレビ局の正面玄関を出ると、空は真っ暗になっていた。

 (さて、修学旅行の依頼…どうするかなぁ…)

 八幡の脳裏に浮かぶのは、自身が所属
[1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ