2話
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きることならすぐにでも休みたい。
更に一夏さんは、織斑先生の弟でもあるので周りから色眼鏡で見られるとさらに精神的に負担がかかっているんだろう。
「……ちょっといいか」
「え?」
「……?」
すっと冷ややかな声で話しかけられた。その声に顔を起こす一夏さん。
その目線の先には、姿勢をピッ、と伸ばしているためか身長がやや大きく見える女性。鋭い目つき、というよりも不機嫌、というのが正しいか。
顔が美人なためか迫力のある眼光に感じる。髪型は腰まで長く後ろでまとめている。いわゆるポニーテールという奴だ。
名前は確か、篠ノ之 箒さん。この女尊男卑を生み出したIS開発者と同じ名字をしていたから印象に残っている。こんな特徴的な名字はそうそうない。もしかしたら身内だろうか。
もしそうなら、阿呆の妹が阿呆ということはないと思うが出来ることならあんまり関わりたくない。多分、ロクなことにならない。
「……箒?」
「………………」
一夏さんが確認するような声色で問いかける。
どうやら一夏さんと篠ノ之さんと知り合いのようだ。
その問いには答えず彼女は僕に。
「……話しているところを邪魔して悪いが借りていくぞ」
一方的にそんなことを宣告した。
言い方は気に入らないが断る理由もないので、どうぞ、と声をかける。
「廊下でいいか?」
一夏さんに話しにくいことでもあるのか、場所替えを提案している。僕には一切関係ないことなので触れることはない。
「早くしろ」
「お、おう」
廊下に出て行ってしまう篠ノ之さん。教室前に集まっていた女生徒たちがざあっと道を開ける。
その光景に笑いそうになるがなんとか我慢する。
慌てて一夏さんも篠ノ之さんについていく。
注目されている片割れがいなくなり、その視線が全て僕に集まってくる。つまりクラスの視線が全て僕に集まる。
そのことに僕は今度こそため息をこぼした。
―――――――――
「―――であるからにして、ISの基本的な運用は現時点で国家の認証が必要であり、枠内を逸脱したISを運用した場合は、刑法によって罰せられ―――」
滑らかに教科書を読み上げる山田先生。僕はそれに対して素早く教科書に目を通す。
既に勉強している箇所ではあるが、ISの初心者である僕は自分の理解と先生の説明に齟齬がないか確認する。
何度もやっているからといって手を抜くことや気を抜くなど微塵もありえない。
ここで妥協をしてしまうと後で余計に時間を取られてしまうことを、過去の経験からよく理解している。
ゲームだってそうだ。
気になったことを放置したり、知っているからといってそこで思考を止めてしまうと後で時間を取られてしまう
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