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憑依貴族の抗運記
第1話、式典
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どラインハルトが許してくれる状況を思いつけなくなる。ましてまだ見ぬオーベルシュタインや似た系統の政治系の側近が旧体制の象徴であるオットーを生かしておくだろうか。

 答えは言うまでもない。それでも俺は無理を承知で土下座作戦を妄想したくなる。この気持ち、わかる人にはわかって貰えるだろう。

 まあ、そんな命のロウソクの火が風前の灯火なブラウンシュヴァイク人生だが、役得も結構ある。まずは酒池肉林。高級レストランと美人お姉さんの店を何件も丸ごと持っているような感じ。

 それからラインハルトを蔑む門閥貴族達にちやほやして貰える。これが結構気持ちよくて癖になる。そして何より最新のゲームを大人買いできる。まあ、何本クリアする時間が残っているかわからないが俺は頑張るよ・・・・・・

「ブラウンシュヴァイク公。どうかされましたか」

 どうやら考えごとをしているうちにセレモニーは終わり、誰かに話しかけらていた。ああ本物のブラウンシュヴァイク公爵の記憶によると・・・名前を知らない子爵だ。

 何人か残っていた取り巻きが不愉快そうにその子爵を見ていることから、門地の上では適当にあしらってよい貴族ということだろう。

「少し考えごとをしていただけだ」

 そう言って片手をふると、俺は取り巻きの貴族達に合流する。

「ブラウンシュヴァイク公。我々はこれからミュンツァー伯爵のパーティーに参加するつもりです。宜しければご一緒しませんか」

 一緒に主のいなくなった謁見の間をあとにしたら、取り巻きの貴族達に誘われてしまった。彼らの中にミュンツァー伯爵なる人物がいるかどうかすら分からない。

「一度帰宅して考慮しよう」

 ブラウンシュヴァイク公の記憶を探れば見つかるかもしれないが、今はごまかして時間を稼ごう。

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