序の章
ハジマリ×シュッパツ
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うんうんと納得しているハオに置いて行かれるまま呆けていれば、思い出したようにハオが棚の引き出しを漁り始めた。
「あ、あったあった。ほらよ、これ手首に巻いとけ」
そう言って私に投げ渡したのは、幾何学的な文様の入れられたミサンガ程の腕輪だった。話を聞けば、約束を破ると強制的に千切れ、それがハオに伝わるらしい。因みに守ってる間は何をしても千切れ無いそうだ。
私が腕輪をつけると、ハオは以下二つの制約……約束事を取り付けた。私は期間内中、ずっとそれを守らなければならなくなる。
一つに、試験中でも基礎の修行を続けること。二つ目は、己に充分な力がつくまで発を他者に発動させないこと。
二つ目の意味が良くわからないが、ハオ曰くそのうち直感する時が来る、らしい。とりあえず信じて待ってみようと思う。
息を付く音が聞こえ、その方向を見ると、ハオが深く椅子に腰掛け背もたれに体重をかけて、天井を仰いでいた。
「これで俺がすべき事はした。特質の修行なんざ、放出系の俺にはわかんないからな」
ハオはここで一度言葉を区切り、私を見据える。これまで見た事が無いんじゃないかって程に真剣な目で、そっとテーブルに人差し指をつけた。
「……いいか?遅くとも一週間後にはここをでろ。もうハンター試験には応募してあるから、お前は支度をしてこの国を出るだけでいい。地図はやるから、それを頼りに行くといい」
「……はい、師匠。お世話になりました」
雰囲気に押されながらも返事をした私は、深く礼をして二階へと続く階段を上がる。
普段の私なら、今までの私なら、こんなに悲しくならなかったかもしれない。案外この場所に情が写ってしまったようで、ぽろぽろと熱い液体が頬を伝う。アームウォーマーでそれを拭いながら階段を駆け上がった。
↑↓
said ?
とある神の使い、そう、所謂天使ってヤツね。そいつは、ものすごい面倒くさがりだった。
あまりのものぐさな態度に、神が面白がって神格の一歩手前まで位をあげるほどに。
それでも仕事だけはスピィーディーに、なおかつ丁寧にこなしていくんだから、そいつはいつでも引っ張りだこで、休む暇が無いんだと。
で、今。今ね、なう。
そ い つ に 休 暇 が 降 り ま し た 。
いやー、こんなに嬉しいことは無いよね。これで漸く肩の荷が降りるってもんだよね。
……あ、今ので気づいたと思うけど、その引っ張りだこな天使って俺の事ね。
なんかこの前異世界転生させた女の子と過ごせって話になってるけど、俺ロリに興味無いし。てかその子精神年齢は人間で言うと成人したかしないかくらいなんだから、手なんてかからないと思うしぶっちゃけ休暇だよね。
報告とかもしなくて良いみたいだし? もう心の中はパーリナイ!
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