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奇奇怪怪
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第一章

                     奇奇怪怪 
 最初はだった。ふと思っただけだった。
 間宮夏希は楽天ファンである。東北出身なのでこう思ったのだ。
「楽天が日本一になればいいな」
 こう思うとだった。何と楽天が日本一になったのである。
 このことはただ偶然と思った。しかしである。
 次に彼女はこう思ったのである。
「何時か上京しようっと」
 軽く思った。するとだった。
 高校三年の夏頃にだ。両親から言われたのである。
「あんたね」
「高校を卒業したらどうするんだ?」
「とりあえず大学行くけれど?」
 こう答えたのだった。
「まあどっかの大学にね」
「東京の大学受けるの?」
「それはどうするんだ?」
「さあ」
 それを言われてもこんな調子で返す。実は大学を受験しようと思っていたがそれは地元の大学ばかりで東京の大学は考えていなかったのだ。
「別に考えてないけれど」
「叔父さんが下宿やってるし」
「若し受かったらそこに住ませてもらえるぞ」
 ここで両親はこう言ってきたのだった。
「それでどうかしら」
「受けてみるか?」
「ああ、住む場所最初から貰えるの」
 夏希はそれを聞いてすぐ心を動かした。
「アパート探す必要ないの」
「親戚だからお手伝いってことで家賃はないし」
「食べ物も出るぞ」
「さらにいいわね」
 それを聞いてさらに心が動いた夏希だった。
「お金も食べ物も心配ないなんて」
「お手伝いだから家事とかはしないといけないけれどね」
「それが家賃だな」
「それが家賃なら安いわね」
 そこまで聞いてさらに心が動く夏希であった。
「じゃあ受かるかどうかわからないけれど」
「受けてみるんだな」
「それじゃあ」
「東京一度行ってみたかったし。まずは」
「まずは?」
「どうしたの?」
 両親が彼女の今の言葉に問うとだった。こう答えるのだった。
「お蕎麦食べたいな」
「お蕎麦!?」
「お蕎麦なの」
「うん、何となく」
 これが今の彼女の言葉だった。
「お蕎麦好きだし」
「何で受験に行くのにお蕎麦なんだ?」
「ちょっと違うんじゃないの?」
「いいじゃない、とにかくよ」
 夏希はさらに言うのだった。
「東京、行きたいと思ってたし好都合だわ」
 この辺りは実に適当に考えていた。実際彼女はどちらかというと能天気な方である。それでここでもこう考えるだけだった。
 それで東京に出て来るとだった。まずはその街並みに驚いた。
「うわ、秋田と全然違うのね」
「おお、そうだろ」
「全然違うでしょ」
 迎えに来た叔父夫婦が笑って彼女に言ってきた。二人は今新宿を歩いている。見渡す限りビルが立ち並びそして人も多い。まさに東京だった。
「秋田とは」
「これ
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