第110話 少年達は突き進むようです
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準備は出来ています、カウントお願いします!」
「では五!四、三、二、一!」
ヒュォ――
カウントに合わせ再び風の足場を作ろうとした瞬間、首筋に冷気を感じて振り向くと、目の前にまで
氷の台風が迫っていた。動きが止まる地点を狙っての消音攻撃を、巨大ロボで実行するなんて規格外
すぎる。しかも楓さんはまだ気づいていない。なら、僕が僕の仕事をするまでだ!
「"ラステル・マスキル・マギステル!『荒ぶる炎嵐』"!!」
ゴォゥッ!!
威力の落ちた氷竜巻に対し、僕も詠唱を破棄した炎と風の嵐で迎え撃つ。でも規模が違うから、相殺
するどころか数瞬遅くするだけだったけれど、楓さんが跳躍するのには十分。
また高速移動に入り、あっという間に青と白の機体の全体が見えるまで遠ざかる。
「やれやれネギ君、完全に無視するとはつれないではないですか。もう少し遊びましょう?」
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!
遊びと称しつつ、瞬動よりも速い誘導ミサイルを雨の様に降らせて来る。その半分が周囲の魔族と
艦隊に阻まれるけれど、それでも尚『魔法の射手』でさえ迎撃し切れない数が僕達を
狙って飛んで来る。とは言え『千の雷』を使う訳にもいかない。
「少しでも数を……っ!?」
ズドドドドドドドドドドドドォォォッ!
数を減らす為に魔法の矢を撃とうとした時、無数のツタが伸びて来てミサイルを全て相殺してくれ、
同時に、僕らの上に巨大な影が覆いかぶさる。
【主ノ命ニヨリ宮殿マデ護衛スル、行ケ!】
「ありがとうございます!楓さん!」
「承知!!」
キュボッ!!
樹龍の助けを借り、再度加速した僕達はクルト提督の乗るロボットの攻撃範囲から逃れ、遂に宮殿の
目の前まで来た。でも、魔法世界軍を圧倒しながらも、まだ宮殿を覆い尽す程の待機していた魔族が
血に飢えた目を一斉にこちらへ向けて来る。流石に速度だけでは突破出来そうもない。
「どうするでござるか!?」
「当然、真っ直ぐ行くがよい。」
ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオゥゥゥオオオ!!!
「うわっ!?」
今度は樹龍程もある炎の龍が頭上を通り、慌てて止まった僕達を後目に、のたうち回る様に魔族の
群れを蹂躙して行く。空中に居るにも関わらず、重厚な金属の足音を鳴らし、真紅の鎧と大剣を輝か
せマントを翻して僕達の隣に堂々と屹立したのは、最後尾にいる筈のヘラス皇帝。
「これはこれは……北の帝国の王。指揮官自ら最前線に出て来るとは愚かですね。」
「飛んで
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