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英雄伝説〜焔の軌跡〜 リメイク
第129話
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王が現れた!



「貴様………」

「うふふ、なるほどね。―――貴方が”影の王”とやらね。」

ケビンは影の王を油断なく睨みつけ、レンは仲間達から聞いた影の王の特徴を思い出して不敵な笑みを浮かべて呟いた。

「『―――次なるは獣の道。新たな供物を喰らい、汝が印を発現させるがいい。さすれば煉獄の炎はさらに猛り、我が王国は真の完成に近づく―――』クク、中途半端ではあったがまさに伝えた通りであろう?」

「…………………お前………何者や………?その悪趣味な仮面……いいかげん外したらどうなんや?」

不気味に笑っている影の王にケビンは静かな口調で問いかけた。



「フフ、お望みとあらば。しかしケビン・グラハム………本当にそなたはそれを望んでいるのかな………?」

「え…………」

「そなたが望むのなら私はいつでも仮面を取ろう。どうかな、ケビン・グラハム。そなたは本当に………私の素顔を知りたいのかな?」

「……………………オレ…………は…………」

「ケビン…………」

影の王の問いかけに考え込んでいるケビンをリースは心配そうな表情で見つめたがすぐに起きあげって、ケビンをかばうように法剣を構えて、影の王を睨んだ。



「影の王………!戯言はそれぐらいにして………!何があるのか知らないけどケビンを惑わすのは許さない………!」

「フフ………私が惑わせているのではない。彼自身が惑うことを選び続けているだけのことさ。」

「…………っ……………」

「クク………これで”太陽の娘”と、”聖なる焔の光”が解き放たれる。そちらの駒もある程度揃い、ようやく本格的な遊戯盤が用意できるというものだ。」

ケビンとリースの様子を不気味に笑いながら見つめていた影の王は詠唱を開始した。

「あ………」

「くっ………!」

「待ちなさい!さっき、”聖なる焔の光”が解放されると言ったけど、”どちらのルーク”が解放されるの!?」

「アッシュさんじゃなくて、ご主人様が入っているんですの!?」

影の王の行動を見たリースは驚き、ヨシュアは唇を噛み、ティアは真剣な表情で叫び、ミュウは懇願するかのような表情で訊ねた。



「フフ、”代用品”の方と言えばその者の事をよく知るそなた達にとってはわかるだろう?」

「……ッ!その言葉、取り消しなさい……!ルークとアッシュは全く異なる人物よ……!」

「ご主人様は誰かの代わりじゃありませんの!」

影の王の答えを聞いたティアは唇を噛みしめてミュウと共に影の王を睨んだ。

「――――次なるは夢魔の道………光と影の狭間を渡りながら白と黒の駒を揃えるがいい。さすれば異界の英傑達も揃い、新たな盤上へと進めるであろう。」


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