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【仮題】黒翼騎士の英雄譚
第02話:落第騎士vs紅蓮の皇女
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同時に振り子の反動で上体を起こしたのだ。
 渾身の大振りを避けられ、ステラが晒した決定的な隙を一輝は見逃さない。

 ――《比翼》

 ステラが気づいたときには既に懐に潜り込んでいた一輝が《陰鉄》を振りぬいていた。

「あ―――」

 そして衝撃と共にステラの意識が落ちていく。
 幻想形態でのダメージによる意識のブラックアウトによってステラの身体がリングに崩れ落ち――

「おっと。」

 その腰に腕を回し、ステラ抱き留める一輝。そしてゆっくりと、壊れものを扱うのようにステラをリングへと横たわらせ、自身も側に座りこむ。《一刀修羅》の反動による急激な体への負荷に倒れてしまいそうになる一輝だったが、勝者の意地として耐えていた。


「そこまで!――勝者、黒鉄一輝!」

 そして、誰が見ても明らかな決着に静まり返る闘技場の中を、レフェリーである黒乃の声が響き渡った。

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