第02話:落第騎士vs紅蓮の皇女
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つ。
――瞬間火力で上回るだけだ!
「焼き尽くせ!天壌焼き焦がす竜王の焔―――ッッ!!」
そして、ステラが妃竜の罪剣を振り下ろすと同時に、灼熱の焔が一輝に襲いかかる。
だが、一般の抜刀者であれば簡単に戦闘不能に出来る大技を前に、一輝はあえて前進する。
「行くよステラ!僕の最弱を以て、君の最強を打ち破る――!!」
そして一輝の身体から噴き出す蒼い燐光。
これが一輝が格上に勝つために編み出した抜刀絶技。
『一刀修羅!』
「なっ――(避けられた!?)」
誰もが決着がついたと思った瞬間、ステラの視界から一輝が消えていた。そして視界の端で奔る燐光。ステラが妃竜の罪剣で防御したのは直感だった。
「〜〜〜〜っ!」
そしてステラの身体がリングの中央から後退させられ、あろうことかリングの端まで吹き飛ばされる。
「(この威力、当たったらヤバい!)――このっ!」
再び一輝へ襲いかかる灼熱の焔。たが、またしても直撃寸前で一輝の姿をステラは見失う。
「嘘でしょっ!?それに魔力も上がって――」
魔力量は生まれた時から決まっている。その常識に当て嵌まらない目の前の光景にステラの思考が追い付かない。
そんなステラに、まるで生徒に教える先生のような口調で一輝は説明する。
「いや、魔力量が上がってる訳じゃ無いよ。あくまで全力を出してるだけさ!」
「(まさか、肉体の限界を外して――)――マズっ!?」
そして《比翼》と《一刀修羅》の重ね技により瞬く間にステラの懐に潜りこんだ一輝がステラの胴を薙ぎ払う。それを妃竜の羽衣の出力を上げることで何とか防ぐも再びステラの華奢な身体が吹き飛ばされる。ステラの土俵であるパワープレイで上を行く。その事実がステラのプライドを刺激した。
「天壌焼き焦がす竜王の焔!」
再度大技を繰り出すステラ。しかも今回は点では無く面での範囲攻撃。実体を持たない剣だからこそ出来る一振り。
「(幾ら速くてもこれなら――!)」
だが、そんなステラの希望を嘲笑うかのように一輝はその上を行った。
「嘘でしょッ!?」
行った事は簡単。全方位360度の範囲攻撃といってもあくまで平面上の話。おまけに女性にしては高身長のステラが水平に振るった剣は、地面と炎の間に50センチばかりの隙間を生みだしていた。一輝は身体を倒し、強靭な足首を軸にその僅かな隙間を振り子のように潜り抜け、そして炎が通過するのと
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