第02話:落第騎士vs紅蓮の皇女
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、目を開かない事。一つ、口を開かない事。一つ、息をしない事。これを守りさえすれば――」
「ちょっとまった!」
譲歩終了。厳重抗議開始である。
「何よ、これ以上譲歩しろって言うの?」
「むしろそれが最大限の譲歩なのが驚きだよ!絶対その一輝君死ぬ!死んじゃうから!」
「じゃあハラキリで許してあげるわ」
「…はい?」
「ハラキリよ。ハ、ラ、キ、リ。日本人の十八番なんでしょ?」
「とりあえずその間違った知識は早急にどうにかしてください。」
ダメだ、この皇女様。我が強すぎる。知り合いの絵師と同レベルだ...
「まあ待て待て。2人とも、何事も勝敗は剣で、が我々抜刀者の流儀だろう。違うかね?」
「つまり、試合で勝った方が生活のルールを決めると?」
「ああ、そうだ。幸いまだ学校は春休みだからな。私の権限で直ぐにでもアリーナを貸しきれるぞ?」
なるほど。つまり...
「理事長、俺に死ねと?」
「あら、随分と物分かりが良いのね。Fランクさん」
むっ。
ちょっと今のは...いただけないな。
確かに僕はFランクだけど、今の僕があるのは師匠と友人たちのおかげだ。
僕自身の批評は構わないけども、師匠のもとで鍛え、知り合いのアイツらと研鑽した実力をランク程度でバカにされるのは嫌だ。
「ステラさん。とりあえず試合、受けて貰えないかな?」
「あら、良いのかしら?」
「ああ。またとない機会だ。(君も)色々と勉強できるだろうからね」
「良いわ。ならこの勝負、敗者は勝者の奴隷よ!」
…マジで?
???
そして数十分後。破軍学園のアリーナの中央で、一輝とステラは向かい合っていた。
観客席には春休みに学園に残っていた数十名程度の生徒と学生がギャラリーとして座っており、事の原因であり、審判を行う黒乃もいた。
「さてと、それじゃあステラさん。よろしく」
「ええ。―――――――――」ボソッ
「(聞こえてるよ、ステラさん)」
あの影法師から授かった"術"によって超人の域にいる一輝にはステラの呟きもハッキリと聞き取る事が出来た。
天才故の苦悩という奴だろうか。きっと勝つ度にそういう言い訳を相手から聞かされ続けてきたのだろう。正直、一輝には分から無い話ではあるが。
ただ――
「(この一戦に、君にも得られるものがある事を祈るよ)」
なんだかんだで御人好しの一輝である。
久々の格上相手である。幻想形態での勝負という久々の平和な勝負である。自分の全力をぶつけるついでに、ステラにも吹っ切れて欲しいと感じるのだから大概である。
『両者!|固有霊装
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