1部分:第一章
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包んだ長身の男だ。身体は引き締まりまさに戦う者の身体をしている。見事な金髪を後ろに撫で付け青い目の光は強い。精悍で彫の深い顔をしている。鼻が高くまさにそれはゲルマン民族の顔であった。年齢は三十になるかならないかというところであろうか。
彼はその話を受けてだ。こう答えた。
「わかりました」
「いいというのか」
「祖国の為に」
強い言葉での返答だった。テノールだがほぼバリトンの響きを持っている言葉だった。その言葉で言うのだった。
「喜んで」
「そう言ってくれるか。それではだ」
「宜しく頼む」
「はい」
その男ジークフリート=ハルトマン少佐はこうして完璧な軍人となることを命じられたのだった。その後暫くして彼はベルリンのある研究室にいた。
そこで白衣の男達を前にしてだ。こう言うのだった。
「では遠慮なくやってくれ」
「遠慮なくですか」
「宜しいのですね」
「既に決まったことだ」
彼の方が落ち着いていた。そんな声だった。
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