第8話 まきりんぱな
[5/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
『むしろ可愛いと思うよ』
笹倉さんに言われたことがまた頭の中で再生される。
違うの....そうじゃないの
「でも...待って!待って!」
再度引っ張られた私はなんとか踏み止まり凛ちゃんを止める。
「ん〜?」
「あ、あのね.....我が儘...言ってもいい?」
「なぁに〜?かよちんの我が儘なら聞いてもいいよ〜」
「もしね...わたしがアイドルやるって言ったら....一緒にやってくれる?」
ある意味私がアイドルをやる最後の手段なのかもしれない。凛ちゃんがいてくれたら寂しくなく頑張っていけそうな気がするの。
「凛が....?アイドルに......?」
凛ちゃんは自分がアイドルになっているのを想像したのか、微妙な顔をして顔を横に振る
「無理無理無理無理。凛がアイドルなんて似合わないよ〜。ほら、髪だってこんなに短いし〜」
凛ちゃんは否定して自分の短い髪をアピールする。
「で、でも.....」
「それにほら!昔も」
凛ちゃんは小学の頃から元気で、運動神経もよく、サバサバした性格なので男子からよく『おとこおんな〜』とか言われて女子扱いされなかったことがよくあった。凛ちゃんはその事をそんなに気にしていなかったけど、ある日今までズボンだった凛ちゃんが初めてスカートを履いてきた時があった。
『うわぁ〜っ!かわいいよ〜!りんちゃんすかーとすごいにあうよ〜!!!』
『そ、そうかな?えへへへ....///』
すると男子はスカートを履いてる凛ちゃんを見てこう言ったの
『うわぁ〜、すかーとだー!』
『りんがすかーとだ!いっつもずぼんなのに〜っ!』
『りんにすかーとあわね〜!!あ、そうだ!こうえんまできょうそうしよーぜ!』
『お!まけねーぞー!!』
そう言って男子たちは走り去っていった。
残された私と凛ちゃん。凛ちゃんは肩を震えて俯き
『り、りんやっぱりきがえてくるね』
と、言って帰っちゃった。
その時から凛ちゃんは自分は女の子らしくないと言い聞かせ、制服以外でスカートを履くことが無くなった。
「--だから凛にはアイドルなんて絶対無理だよーあはは」
凛ちゃんは笑いながら頭の後ろをかいた
凛ちゃんのその笑顔は苦痛な表情にも見えた。
「凛ちゃん.....」
〜☆〜
俺は放課後になるとやっとガムテープを剥がされ、穂乃果とことりは帰宅し、海未は部活があると言って弓道場に向かった。
「ふぅ....息苦しかった...なにも授業中までつけることなんてないだろ」
1人愚痴りながら荷物を整理し、教室を離れる。
授業中の先生の目と何も知らない女子生徒
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ