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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第十八話 オーブンでの蒸し焼きは御免こうむります。
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!6時の方向より、超長距離ミサイル確認!!」

 フィオーナが叫んだ。

「何!?」
「敵に気づかれたようです。幸い敵は安全圏から中には入ってこないようですが、このままの相対速度ですと、ミサイルは本艦に命中します!!」
「回避できるか?!」
「今の補助動力では、無理です!」

 エメリッヒ少尉が苦渋の表情だ。

「着弾まであと3分!航海長!回避できる方法が、一つあります!」

 フィオーナが声をかける。

「わかっている。艦の他のスラスターを噴射させて、ローリングする方法だというのだろう?だが、それでは反動でザイデル伍長たちが跳ね飛ばされてしまう可能性がある」
「航海長!!」

 フィオーナが叫んだ。穏やかで優しい彼女からは想像できないような大声だった。思わずラインハルトは椅子で身動きした。

「航海長、ではザイデル伍長たちを救うために、この艦の兵士たちを犠牲にするというのですか?!」

 いつにないフィオーナの口ぶりにラインハルトは愕然となった。

「それは・・・・」
「このままでは命中は確実です!回避する方法は一つしかないんです!!どうか、ご決断を!!」
「く・・・・・」

 ラインハルトの拳がぎゅっと握られた。だが、当のフィオーナ自身もとてもつらそうな顔をしている。言いたくて言っているわけではないのだと、ラインハルトは痛いほど理解していた。

「やむをえん。キルヒアイスたちに伝えろ!!着弾まであと1分!!20秒後にスラスター噴射開始だ!!遅れるな!!」
「りょ、了解!!」

 エメリッヒ少尉が操作する中、フィオーナはキルヒアイスに連絡した。

「早く二人を収容してください!!敵ミサイル、来ます!!!」

 船外作業ハッチ脇でそのことを聞いたキルヒアイスとティアナは二人を必死に呼び戻していた。

「早くしろ!!時間がない!!」
「急いで!!!」
『OK,終わった!!!今そっちに戻る!!』

 ザイデル伍長たちが焼けただれたパネルを担いで、懸命に戻ってくる。既に外は灼熱状態だ。今恒星に対面したら、恒星風にさらされて、ひとたまりもなく焼死してしまう。
 と、その時だ。あと数歩でたどり着くというときに、ついにハーメルン・ツヴァイがローリングを開始した。その反動で二人が宙に浮きあがってしまう。

「まずい!!」

 ティアナがとっさに外に飛び出した。その時、ベルトラム大尉がザイデル伍長を投げつけるのが見えた。ティアナは自身の命綱を固定柵にひっかけ、身を乗り出しながら思い切り力を込めて、大尉の命綱を引いた。
 後一瞬遅かったら、ベルトラム大尉は恒星風にさらされていただろう。だが、ザイデル伍長が、ついで、ティアナの渾身の力で、引きずられた大尉がハッチ中に転げ込むと同時に
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