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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第十八話 オーブンでの蒸し焼きは御免こうむります。
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 兵士たちが艦橋に集まってきた。愕然とするベルトラム大尉に向かって、ザイデル伍長が肩をすくめる。

「どうやら副長、兵士たちの中にはあなたを支持する者はいないようですぜ」

 ザイデル伍長の言葉にベルトラム大尉がいったん銃を下ろす。だが、それは跳ね上がってラインハルトの胸に向けられた。

「貴様さえ、貴様さえいなければ!!」
『させるか!!』

 3発の銃声が響き渡った。一発は副長、二発目はフィオーナ、三発目はティアナが放ったものだ。一瞬早かった二人の射撃は副長の銃を正確に打ち抜いていた。

「ぐっ!!!」

 手を庇うようにして副長が崩れ落ちる。同時に肩を撃ち抜かれたロルフが倒れこむ。彼はラインハルトを庇おうと前に飛び出していたのだ。だが、命に別状はない。ティアナはそう見て取った。

「ロルフ、あなた立派よ。よくラインハルトを庇ったわね」

 ティアナがラインハルトの前に飛び出していたロルフの肩に手早く包帯しながら彼の頬を叩く。呆然自失していたロルフは不意に大きく身震いした。

「俺・・俺・・・・!!兄貴・・・・!!」
「ロ、ロルフ・・・・ロルフぅ!!バカ野郎が!!」

 ザイデル伍長がロルフを抱きしめる。

「貴様・・・よくも、ロルフを!!!」

 ラインハルトが副長をねめつけ、銃を突きつけた。うろたえた副長は反射的に銃を構える。だが、焼き切れた銃は役に立たない。
 そこへ、軍医にすがった艦長が姿を現した。

「双方待て、銃を収めよ」
「艦長!!」

 片膝ついていたベルトラム大尉が立ち上がった。ラインハルトともども二人は艦長席の前に並んだ。

「・・・・もとはと言えば、私が不甲斐なくも倒れてしまったことで、二人には余計な心配をかけてしまった。すまない・・・・。だが、私は職務に復帰できる状態ではない。そこで、ミューゼル中尉、君を正式に艦長代理に任命する」
「艦長、あなたはやはり貴族同士で・・・・」
「副長、それは違う。私が彼を選んだのは、彼がこの艦を救おうとする意志を持っているからだ。どうかミューゼル中尉を助けて、この状況を打破してほしい・・・・」

 艦長はそう言うと、意識を失った。

「まったく!!病人に負担をかけるなと言っておいただろうが!!これ以上負担がかかれば私は責任は持てんからな!!」

 軍医が怒りながら艦長を部下たちと共にタンカに乗せて運び去っていった。負傷したロルフも医療班に連れられて出ていった。

 ラインハルトは艦橋を見まわした。

「聞いてのとおりだ。今より私が正式にこの艦を指揮する。副長、異存はないな!」

 ベルトラム大尉が苦渋の表情でうなずく。

「アンカーを切りはなし、自由落下体制に!!」

 ハーメルン・ツヴァイ
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