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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第十八話 オーブンでの蒸し焼きは御免こうむります。
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トラム大尉から、なぜ助けたのだ?と聞かれたティアナはこう答えていた。

「なんとなく、だわ」
「なんとなく?」
「あなたが自分を犠牲にして、ザイデル伍長を助けようとしていた姿を見て・・・・いいえ、そうね、もっと前、あなたがたった一人で機関室に行くと言い切った時から、私のあなたに対する風向きは変わった。そんなところかな」

 フッ、とベルトラム大尉は一瞬笑った。全身に火傷を負い、顔にも包帯を巻いているにもかかわらず、大尉が笑ったのがはっきりとティアナにはわかった。

「上官に対して、敬語を使わないとは。だが、フロイレイン・ティアナ。あなたの私に対する評価を、素直に受け止めるとしよう。もちろん、他の事も含めてな・・・・」

 大尉は最後に寂しそうにそう言うと、ティアナを残して医務室に戻っていった。


ティアナはその時のことを思い返していて、フィオーナの問いかけに自然と口が動いていた。

「たぶん、大丈夫な気がする」
「えっ?」
「あの艦長なら、きっとなんとかする、そんな気がするのよね。あれは・・・とてもいい艦長よ。それに、副長も変わったわ。ううん、本来副長が持っているいい部分が顔を出し始めたんだと思うの。もう大丈夫よ。ラインハルトもきっとそう思っているわ」

 ティアナがフィオーナにうなずいて見せた。

「そっか。そうよね。きっとそうよね」


* * * * *
 アルトミュール恒星系に侵入した同盟軍艦隊は帝国軍一個艦隊が救援に駆けつけたため、戦わずして撤退した。そして、ラインハルト・フォン・ミューゼル中尉、ジークフリード・キルヒアイス少尉、フィオーナ・フォン・エリーセル少尉、ティアナ・フォン・ローメルド少尉は、艦長、副長不在の艦を良く指揮し(副長は戦闘行動中に機関部の修理に赴き、そこで大やけどを負ったということにされていたのだ。)駆逐艦隊のなかでただ一隻生き残らしめた事、さらに敵発見の通報をいち早く行ったことなどから、昇進が決まっていた。

「キルヒアイスまで昇進するのね。これは、原作とは違うけれど・・・・」

 フィオーナは意外そうに灰色の目をしばたたかせた。

「私たちも昇進するんだもの。キルヒアイスだけ昇進しないのは後味悪いしね」
「デューリング中尉たちはそのままなのに?」
「まぁ・・・そこは・・・・。」

 ティアナは口を濁したが、すぐに、

「でも、その分私たちは頑張ってラインハルトを支えて、早く戦争を終わらせなくちゃならないからね」
「そうね。そうだよね」

 フィオーナはうなずいた。

 ハーメルン・ツヴァイはイゼルローン要塞に満身創痍のまま入港し、ただちに負傷兵の手当てと、艦の修理が行われていた。そのさなか、昇進が決まったことをラインハルトらは知り、艦長に会
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