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ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
鉄色の刃と紅色の狂喜
零節:【魔刃】
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が時に混ざりあい、時に反発しあい、延々と留まることなく続く。
刹那の時に合わさり響くその音は、果たして金属によるものかそれとも異質なるモノか。
瞳に映り、抉らんばかりに刺激する光は、碧なのかはたまた紅か……。
まるで永久に続きそうだとも思えてしまう、終わりの見えない悪魔達による闘争。
先の読めない戦の中で、それだけが唯一無二の真実であり―――
「シャァ……―――ッ?」
―――しかし唐突として、その均衡に亀裂が走った。
「……!?」
されどコレと言った色を持たなかった碧い悪魔の【無色の光】を、一つの濃い色が僅かに塗りつぶす。
その色は―――“赤” また “緋” そして “朱”。
自分の側へ下れとばかりに、紅き鮮血が片方の魔物に斑を作ったのだ。
「ガ、ァア―――アアアアァァァァアァァァァァァァァアアアアアアアアアア!!!」
苦悶、憤怒、怨恨……ごちゃ混ぜになった“負”と共に、激痛が招く絶叫が喉から競り上がり、口より一気に迸る。
―――――だが止まらない。
碧い悪魔の鋭利な殺気は収まらない。その歩みは、まるで留まらない。
それどころか吹き出る圧力が倍以上に膨れ上がり、もう常人か如何か関係なく触れた全てを圧し潰して――――否、“斬り刻んで”しまいそうなぐらい力を増して噴き上がる。
「グ、ガ、ア゛……ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛アアアァァァアアァァ――――――――ッ!!!」
咆哮する碧い刃の悪魔から人影が飛び出した。
……いや、違う。今まで『悪魔に見えるほど濃密な気を纏っていた』が為にそう見えていたのだ。
「キシィ? …………アハハハハハハハハハハハハハハハハハハァァァアアァァ!!!」
つまり、もう片方の紅い骨の悪魔もまた、そう錯覚するぐらいに強い狂喜が故に、そう見えていただけなのだ。
「「アアアアアァァァアアアァァァアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」」
小細工など知らぬと突撃し、策略など微塵も考えずに、両名の得物がただ閃いて―――――
―――そこで、世界は光に包まれた。
「ア…………ぁ……―――――あ?」
柔らかな日差しが瞼を刺激する。
碧い悪魔“だった者”は、そこで脈絡無く眼を覚ます。
「……?」
まず片割れが抱いた感想は……多少複雑。
何もかもが、いっそ酷い程に『適当な造形を持っている』という単純なモノと……それ故に、余りに“違和感”が、“不快感”が漂って要るように思える―――と言ったものだった。
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