第9話 何から始める?
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きるか考えなくては。
「園田先輩」
「ひゃい!?なななんですか?」
いや、そんなに驚かなくてもいいと思います。
僕は完全に先輩に警戒されているみたいで少しショックを受けた。
「今後練習するとき、僕も同行してもよろしいですか?」
「そ、それは......は、恥ずかしいので」
「は、恥ずかしい、ですか」
「踊ること自体が初めてなのに殿方にそのような姿を見せるのは...恥ずかしいです、できないです」
これからスクールアイドルとしてたくさんの人の前でダンスや歌を披露しなければならない。当然女の子だけでなく男の子もいるはずだ。
果たして園田先輩はそれを知った上でスクールアイドルをするつもりかな。
僕はとても不安になってきた。
「先輩の言う通り大勢の前で踊ったり、歌うのって恥ずかしいですよね。僕が園田先輩の立場でも恥ずかしくてできないかもしれません」
「貴方......」
「でも先輩はスクールアイドルをやろうと思ったんですよね?理由や経緯はともかく、最後の決断を出したのは先輩自身の意志です。最初は誰だって完璧になんてできませんし、恥ずかしいですよ。何事も楽しんだもの勝ちなんです。恥ずかしくてもいいんです。失敗してもいいんです。目標に向かって真面目に、だけど楽しみながら取り組むことってとても大切なんですよ?」
すーっと、園田先輩の赤みの差した頬が薄くなっていくのがわかる。
しばらく一点を見つめながら僕の言ったことを先輩なりに噛み砕いているようで、先輩が口を開くのにたっぷり数分は要した。
「...高橋君は、私がスクールアイドルをできると思っているのですか」
初めて僕の名前を呼んでくれた。
それはきっと僕に心を開いてくれたような気がしてちょっぴり嬉しく思う。
ちらり、ちらりと僕に上目遣いで時折視線を向ける。
「大丈夫ですよ園田先輩。だって先輩には頼もしい幼馴染がいるじゃないですか」
「そうだよ海未ちゃん!私やことりちゃんもいるんだから何も怖くないよ!」
「穂乃果...」
「海未ちゃんのアイドルの姿楽しみだなぁ〜♪」
一人ズレたことを言ってた気がするけど...二人とも園田先輩を応援している。
その言葉を機に、園田先輩の目つきが変わった。不安から希望とやる気に。
「高橋君」
「はい?」
「明日から練習を始めます。一緒に来ていただいてもよろしいですか?」
準備はどうも中途半端で、二週間でどうにかなるかはわからない。たくさんやることがあって、だけど全部を適当になんてできない。
そんな中、三人の気持ちはようやく固まった。
高坂先
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