第9話 何から始める?
[7/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れませんが、僕あまり携帯とか使わないのでこのままなだけです」
「そうなんだぁ〜。”ガラケー”って絶滅危惧種だから見てて新鮮かも♪」
確かに僕のクラスメート全員がスマホ系のタップ型の携帯だった。僕だけがガラケーでいつも『変わってるよな高橋は』と言われる。通行人も電車に乗っている人も、花陽も凛も雫もだ。
僕だけが特殊なのかな?でも今の携帯かなり気に入っているし、”思い出の携帯”でもあるから買い替えようなんて思わないんだよね。
なんてことを考えながらふと、携帯をパカっと開いて待ち受け画面の画像に魅入る。
先週ゲームセンターに行ったときに撮った初めて三人で撮った思い出のプリクラ。
きっと花陽も凛も待ち受けにしているだろう。
「ふ〜ん...この子たちが穂乃果ちゃんの言ってる春人君の”彼女さん”なんだぁ。春人君の本命はどっちかなぁ?二人とも?」
「え!?違いますよこの子たちは幼馴染です。もう高坂先輩何勘違いしてるんですか〜」
「だってこの前来た時はるとくんの花陽ちゃんからあま〜い雰囲気が店いっぱいに広がってたから絶対に”そういうこと”なんだって思ったんだもん」
もう何十回、何百回のやり取り。対応の仕方に手慣れたものであるけど、いい加減飽き飽きしている自分がいる。どうして男女間で親密な関係だと、幼馴染相手が女の子だと、『彼氏彼女』という固定概念に当てはめたがるのだろうか。もし、僕が花陽、或いは凛と恋人関係になったら、今のこの心地よくて幸せな関係が壊れてしまいそうで怖い。それにどちらか一方を傷付けることになる。
気分が良くならない話題になりそうなので話題転換を試みようと...必死に話題を探し、一つだけ気になったことがあった。
それを僕は口に出す。
「そういえば.........先輩方のアイドルグループ名って何ですか?」
直後、静寂がやってくる。あれ?グループ名って決まってなかったの?高坂先輩に視線を向ける。ペロっと下を出して、「いやぁ......忘れてたわけじゃないけどいい名前が決まらなくて」と応える。
「何も決まってないのに穂乃果はライブしようと言い出すんですから困ったものです」
「まぁ...これからってところじゃない?」
始まりから躓いている気がする僕。いや、僕だけじゃない。高坂先輩を除いた園田先輩と南先輩もそんなことを考えていそう。
こんなことでライブが成功して音ノ木坂の廃校が免れるなんて今の僕には思えない。三人がどれだけ真剣になれるか、だと思う。というか真剣になってもらわないと困る。花陽と凛の高校生活に支障がでてしまうんだ。こうして先輩方と関わりを持ったんだから僕に何がで
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ