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101番目の舶ィ語
第十三話。デート・ア・キリカ
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を支えた。

「あはは……目は回復したけど、実はまだフラフラでした」

「何たってこんな無茶を」

「だって……モンジ君……ううん、キンジ君、君を……君の存在が感じられなかったから……なんとなく不安になっちゃったんだもん。自分でもよく解らないくらい不思議なんだけどね、こんな気持ちになるの。落ち着いて考えれば、作戦会議だって解ったはずなのにね?」

俺の肩に頭を乗せるように、もたれかかるようにしてキリカは体を預けてきた。
体を支える手は熱く、熱があることを教えてくれた。

「そこまで思ってくれる……それだけで俺は嬉しいよ、キリカ。さ、帰ろう。俺達の街へ。タクシーを使えばすぐに帰れるからね」

すぐに病院に連れて行かないと。
いや、待てよ? キリカはロアだ。
人間用の病院で診て貰っても大丈夫なのか?

「ん……キンジ君」

「ん、なんだい?」

「えっとね、その……ちょっと休めば、回復すると思うんだよね。キンジ君が一緒にいてくれるならなおさら。ほら、嬉しいとか、楽しいとか、そういう気持ちになれば回復が早いっていうのは前に教えたでしょ?」

「あー、今朝聞いた奴だね。うん。解った。それじゃえーと……何処か休めるところで休むか?」

「……お布団が……あ……る……所が……い……いな」

モジモジとしながらそう言ってきた。
お布団かぁ。
それはビジネスホテルや旅館の部屋を用意してくれということか?
ちょっと、その要望は厳しいですよ、キリカさん。
周りを見渡してそれらがないか、探していると俺の目にそれは入る。
(あったが……ここはマズイ気がする。何がと言われてもわからんが、なんとなく、なんとなくだが、入ったら詰む気がしてしまう)

そこはちょっと外装がお洒落な建物で。
中にはお布団のある部屋があって。しかも『ちょっと休む』、その為の場所______。
要望通りの部屋だが……。
よ、よーし、他を探そう。そうしよう!
何故だかそこに入ったらいけない気がした。
他を探そう……。
と、思っていたが、くいくい。
キリカに服を引っ張られる。

「え、えーと、キリカ……さん?」

「……ダメ……かな?」

本音を言うと入りたくない。入ったら最後……嫌な予感しかしない。
……だが、今のキリカは病人だ。
一刻も早く休めさせないとマズイ。
吐息は荒く、顔は熱で真っ赤、ちょっと汗ばんでいるのか、髪の毛が?に張り付いている。
早く休めさせた方がいい。
何より今の俺はヒステリアモード……。
それがキリカのお願いなら俺は何が何でも叶えてやりたくなる。
だけど……。
本当にいいのか、俺?

「あ、あは……ごめんね、キンジ君……困らせる、つもりはなかったんだけど……うん、そう、だよね。…
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