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カップルの失踪
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第一章

                      カップルの失踪
 連合の一国グアテマラ共和国でだ。おかしな事件が起こっていた。
 そのことをだ。連合中央警察長官であるドトールが聞いてだ。こう言うのだった。
「何かあるかもな」
「何かですか」
「その事件に」
「あまりにもサルバド星系での失踪の数が多い」
 彼が最初に指摘したのはこのことだった。今彼は中央警察の本部ビルの彼自身の執務室にいる。その己の席に座ってだ。こう部下達に話すのである。
「もう百人も超えているな」
「はい、それも身元がです」
「若い男女、しかもカップルばかりです」
「これは一体」
「考えられることはだ」
 ここでドトールは言った。
「人格障害者による事件だ」
「サイコ殺人でしょうか」
「それも連続の」
「可能性はある」
 そのことをだ。彼は否定しなかった。
「むしろだ」
「その危険が高いですね」
「そうですね」
「そうだ、高い」
 険しい顔でだ。ドトールは言った。
「サイコ殺人だとしても厄介だが」
「それ以上にですか」
「ありますか」
「そうだ。もう一つ考えられるケースがある」
 こう話す。そのケースとはだ。
「人身売買の組織か」
「闇の組織ですか」
「それですか」
「考えられる」
 こう言うのだった。
「その連中かもな」
「じゃあどうしますか、今回は」
「テロリストや宇宙海賊と結託している組織だと問題です」
「中央警察の仕事になりますか」
「この話は」
「そうだ、人を送る」
 そうするというのだった。ドトールの判断は速かった。
「それも少数でだ。精鋭を送る」
「そして秘密裏にですか」
「謎を解明し問題を解決する」
「今回はそうしますね」
「そうされますか」
「そうだ、そうする」
 ドトールは答えた。簡潔にだ。
「わかったな。では人をだ」
「選びましょう」
「それでは」
 こうしてだった。ドトールが直接指示を出してだ。そのうえでだった。
 グアテマラにだ。捜査官が派遣された。それはだ。
 一人は銀行員を思わせる外見だ。如何にも真面目そうである。
 そしてもう一人はだ。やや小柄な男だ。この二人がグアテマラに入ったのだ。
 まずはだ。銀行員風の男が小柄な男に問うた。二人は既にグアテマラの首都星系の街中にいる。そこに潜入しているのである。
 その中でだ。彼は小柄な男に問うのだった
「あの、アラガルさん」
「何だ、趙虎君」
 彼、アラガルも銀行員風の男に言葉を返す。
「何かあるのかい?」
「あるから尋ねるんですよ」
 二人は今ホテルの一室にいる。そこにだ。ビジネスマンということでチェックインしているのだ。簡素なビジネスホテルである。
「あの、どうもこの事件ですけ
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