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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第68話
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話を聞いたアルフィン皇女は辛そうな表情で肩を落とし

「……………………その―――殿下。付かぬ事をお聞きしますが……」

周囲を見回してある人物がいない事に気付いたリィンはアルフィン皇女を見つめて尋ねた。



「……わかっています。エリスの事ですね?残念ですが、エリスはこの船には乗っていません。おそらく、わたくしの両親たちと共にいると思います。」

「皇帝陛下達と……!?」

「父や母、弟たちが幽閉されているのはご存知かと思いますが……どうやらエリスは、その幽閉場所に移されたみたいなんです。皇帝家の身の回りの世話をする侍女という名目にしたようです。」

「そうだったんですか……少し安心したような、そうでもないような気分ですね。」

アルフィン皇女の話を聞いたリィンは複雑そうな表情をした。



「ふふっ……そうですね。わたくしも同じ気分です。でも、メンフィル帝国がエリス救出の為に動いているとの事ですから、もしかしたら案外早くエリスがメンフィル帝国によって救出されるかもしれませんわね。……メンフィルが救出するのはエリス”のみ”でしょうね。いつエレボニア帝国に戦争を仕掛けてもおかしくないメンフィル帝国がエレボニア皇族を救出する可能性は絶対にありえませんわ…………―――いえ、それどころかエレボニア皇族であるお父様達に危害を加えるかもしれませんわね…………わたくしがユミルに滞在していたせいで…………」

「殿下……しかし……どうして殿下だけこちらの戦艦に?何か事情がおありなんですか?」

寂しげな笑みを浮かべた後辛そうな表情で身体を震わせるアルフィン皇女を辛そうな表情で見つめたリィンは別の事に意識を向けて雰囲気を変える為に話を変えた。



「どうやら貴族連合の……カイエン公の狙いみたいです。内戦が始まって占領した地域にわたくしが顔を出して声をかける……そうする事で民の反発を抑え込もうとしているのでしょう。」

「……それは…………」

アルフィン皇女の説明を聞いたリィンは表情を厳しくした。



「別にその程度の事なら構わないと思っているんです。内戦の最中、不安な人々を少しでも安心させることができればわたくしだって……」

「……だから、無理はしないでください。傀儡となって民を騙すなんて気分がいいものじゃないでしょう。おまけに家族とも会えずにエリスとも離れ離れになって……」

「リィンさん……もう……本当にお見通しなんですから。」

両肩に手を置かれて慰める言葉をかけられたアルフィン皇女は苦笑しつつもどこか嬉しそうな様子でリィンを見つめた。



「そ、それはともかく……これからどうなさるんですか?このままカイエン公の言いなりにはなりませんよね?」

「それは……――
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