第十六話 幼児期O
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ニス
―――!!
ばちりと目があった俺とリニス。俺は目を合わせながら、力強くうなずき、グッと親指を立てた。受け取れ、俺の心からの思いを。
―――健闘を祈る!
―――にゃぁ!?
アイコンタクト終了。ついでに清々しいまでの笑顔も、おまけとして付けておいてやろう。アリシア関連には強く出られないリニスが、あたふたしながら対応している。うんうん、愛い奴め。
『ますたーって、結構いじめっ子ですよね』
「いじるのが好きと言ってほしい。相手と沸点は見極めているから大丈夫」
『まぁ、大概は返り討ちにされていますけど』
俺の周りにいるツッコミがおかしいんだよ。時々、予想外の反応とか返って来るし。それを楽しむのも面白いけど、俺としては全力でいじりまくれる人がいたら嬉しいな。リアクションがいいとなおよし。
「昔はコーラルで遊べたのに」
『ますたーといれば、無駄に鍛えられますよ。主に精神面。というか、純粋に遊びに誘ってくださいよ。僕で遊ぼうとしないで』
「えー。でも、遊ばれているコーラルが、俺としては一番輝いている感じがして好きだよ?」
間。
『……え、あの。そうですか? いえしかし、でも。その、けどちょっとだけでしたら…』
「……ごめん、落ち着いてコーラル。今のは俺が悪かったから」
あわあわあたふたし出したコーラルに、素直に謝る。俺もノリで口走ってしまったが、ここまで反応されるとは思っていなかった。お互いにちょっとあわあわしてしまった。
しかし、本当に平和だな…。
そんなのんきなことを考えながら、俺は駆動炉に視線を移す。あと数日経てば、俺たちは誕生日を迎える。母さんから6歳のお祝いには、少人数だが同僚さんや強者さんといった、チームの人達も来てくれると教えてくれた。さっきもアリシアと一緒に、俺もパーティーの飾りをつくっていたし。
もしかして、事故が起きなくなったってことはありえないのかな? んー、それはさすがに危機感がなさ過ぎだろうか。でも正直、事故が起きないのならそれに越したことはないんだよな。
ヒュードラの事故だが、俺としても実はよくわかっていなかったりする。俺の記憶では、この事故が原因でアリシアとリニスが亡くなってしまったのは知っている。けれど、どうして死んでしまったのかまでは曖昧なのだ。
この家には母さんの結界魔法が張られている。おそらく原作でも張られていたはずなのだ。なのに、2人は死んでしまった。俺が事故で魔法を使う選択肢を捨てて、能力一本に絞った理由もこれがあげられる。5歳の子どもが、母さんほどの魔導師の張った結界を、超えることができるわけがないからだ。何が原因かもよくわかっていないのに。
なら、事故から守るよりも、事故から逃
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